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「終身雇用は古い」「実力主義は新しい」は本当にそうなのか?

2019.01.16

「終身雇用=古きもの、実力主義=新しいもの」と本当に言えるのか?

私はいわゆるメガベンチャーといわれる企業10~20社の人事担当の役員や部長など、計20~30人にこの10数年で取材をしてきた。そのほとんどが、「終身雇用は、すばらしい制度」「少なくとも、長期安定雇用は絶対に大切」などと言っていた。中には、「大企業の終身雇用をベンチャーは見習うべき」と明言する経営者もいた。不思議なことに、その取材に同席していたはずの経済雑誌やビジネス雑誌の編集者たちの中には、この言葉を記事に盛りこまないようにする人もいる。特に20~30代に目立つ。

おそらく、この人たちの中には「終身雇用=古きもの、実力主義=新しいもの」という構図があるのだと思う。そして「新しいもの」を中心とした記事にして、それを世に売り込みたいのだろう。だから、「情報操作」を公然とするのではないか、と思う。彼らと話をしていて、私はそのように感じることが多い。

しかし、私はよく思う。そこまで単純明快に「終身雇用=古きもの、実力主義=新しいもの」と言い切ることはメディアとして許されていいのだろうか。そもそも、その場合の「実力主義」とは何を意味するのだろう。そのことを前述の編集者たちに確認しても誰も答えない。おそらく、彼らもわかないのだろう。実は、「実力主義」という人事制度は存在しないのだ。

たとえば、20~30代前半で管理職に抜擢することが「実力主義」と言えるのかと言えば、そこまで単純でもない。中小、ベンチャー企業では、得てして採用力や定着率が低いために慢性的に人材難の傾向がある。つまり、管理職になるにふさわしい人が少ないために、少ない母集団の中から強引に抜擢している場合は多々あるのだ。それをカモフラージュするために「実力主義」という言葉を持ち出している疑いもある。

裏を返せば、「終身雇用=古きもの」と言い切ることもできない。「採用や定着、育成や人事評価、配置転換などにおいて合理性を徹底して追求していくと、結果として長期安定雇用になるのは避けられない」。これもまた、前述のメガベンチャー企業の人事担当役員が2015年の取材時に語っていたことだ。読者諸氏は、どのように思うだろう。

文/吉田典史

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