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2019.01.09

椎間板ヘルニアによる腰痛や足の痛みの軽減に「パルス高周波療法が有効」研究報告

椎間板ヘルニアの疼痛軽減に「パルス高周波療法」が有効か

椎間板ヘルニアによる腰痛や脚の痛みを一撃できる治療法を待ち望んでいる患者は少なくないだろう。こうした中、パルス高周波療法(pRF)と呼ばれる侵襲性が低い治療が、標準的な治療では症状が改善しなかった腰痛患者に有益な可能性があることが示された。

ローマ・ラ・サピエンツァ大学(イタリア)インターベンショナルラジオロジー学教授のAlessandro Napoli氏が北米放射線学会(RSNA 2018、11月25~30日、シカゴ)で報告した。

pRFは、CTガイド下で痛みの原因となっている神経根に直接、パルス状に高周波信号を送って炎症を抑える侵襲性の低い治療法だ。治療法自体は新しいものではなく、1980年代に米食品医薬品局(FDA)に承認されている。

しかし、専門家らによれば、近年、CTスキャン技術の向上により、以前よりも正確にpRFを実施できるようになったという。

Napoli氏らは今回、標準治療が奏効しなかった腰椎椎間板ヘルニア患者を対象とした研究で、CTガイド下での10分間のpRFを1回受けた患者128人を、ステロイド注射を1~3回受けた患者120人と比較検討した。

その結果、治療から1年後までに完全に回復したと認識していた患者の割合は、ステロイド注射群の61%に対してpRF群では95%と高かった。

Napoli氏は「これまで術後に再発した数多くのヘルニア患者の腰椎MRI画像を読影してきたが、今回のpRFの治療成績には驚かされた」と振り返る。実はNapoli氏は自身も患者の一人で、pRFを受けた。

その個人的な経験からも、「治療に伴う痛みはなく、10分ほどの治療を受けてから数日以内に効果がみられることは明らかだ」と話す。

腰椎椎間板ヘルニアは、背骨をつなぎ、クッションの役割をしている椎間板にひびが入り、椎間板内の髄核と呼ばれるゼリー状の組織が飛び出し、神経を圧迫するために発症する。

その症状は腰痛だけでなく坐骨神経痛を引き起こし、痛みが脚まで広がる場合も少なくない。

標準治療としては、市販の鎮痛薬やステロイド注射、椎間板の切除、脊椎の固定などの侵襲的な手術がある。しかし、Napoli氏によれば、これらの治療法は確実に痛みを取り除くものではなく、リスクも伴うという。

例えば、ステロイド注射が有効なのは一部の患者に限られ、複数回の注射が必要になるのが一般的だ。また、手術の安全性は以前と比べれば大幅に向上したが、出血や感染のリスクがあるため最短でも2~3日の入院が必要で、治療費も高くつく。

一方、pRFは入院する必要がなく、治療費も大幅に抑えられ、危険性も低いとされる。「pRFによって圧迫されている神経根の炎症を抑えることで疼痛が消失し、身体は自然治癒のプロセスを辿り始める。その結果、患者の多くで椎間板ヘルニアが完全に治癒する」とNapoli氏は説明する。

しかし、専門家の一人で米ウィリアムボーモント病院のDaniel Park氏は「腰痛患者の大半は、時間の経過とともに、また運動習慣を取り入れるだけで軽快する」と指摘する。Napoli氏らの研究で、患者の症状が消失した原因が本当にpRFだったのかどうかは不明だとして、「研究結果は慎重に解釈すべきだ」と話している。

また、pRFの位置付けについては、「標準治療が奏効しなかった患者やステロイド注射への追加治療を必要とする場合に、治療選択肢の一つになるかもしれない」との見解を示している。

(参考情報)
Press Release
https://press.rsna.org/timssnet/media/pressreleases/14_pr_target.cfm?ID=1984

構成/編集部

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