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2019.01.11

昨年最も売れた書籍「漫画・君たちはどう生きるか」に学ぶ人生の本質

1937年、今から80年以上前に1冊の児童文学が刊行された。『君たちはどう生きるか』だ。それから時を超え、2017年8月、漫画家の羽賀翔一先生の手によってコミカライズされた『漫画 君たちはどう生きるか』(吉野源三郎(原作)、羽賀翔一(漫画)/マガジンハウス)は、大きな話題を呼んだ。

2018年に入ってもその勢いは衰えず、累計販売部数は210万部を突破。多くの人が本作を読み、人との関わりを、社会を、そして自分の生き方を考えさせられた。

主人公は中学校2年生のコペル君。父親を亡くし、母親とお手伝いさんとひっそり暮らしている。勉強ができ、スポーツも万能な彼は、日常生活で直面する様々な問題を通して、自身の生き方を考えながら成長していく。

80年以上前に描かれた本作だが、現代においても彼と同じ悩みを私たちは抱える。いじめ、人間関係、貧困、そして人生……。その一つひとつをていねいにひもといてヒントをくれるのが、近所に住むコペル君の叔父さんだ。

マンガ版の重要な場面の1つ、コペル君が上級生に殴られる仲間を助けられず裏切ってしまったシーンがある。そのときの後悔に苛まれるコペル君に、おじさんはノートでこうアドバイスをした。

「自分の過ちを認めることはつらい。しかし、過ちをつらく感じるということの中に、人間の立派さもある」

コペル君の体験した出来事を通して様々な道しるべをくれるおじさんの言葉に、どれだけの読者が共感しただろうか。決して説教くさいわけでも、しかしありふれた言葉を述べているわけでもない。すっと心に入る言葉の数々こそ、本作が2018年に最も売れた書籍にしたのではないか。

文=いのうえゆきひろ

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