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絶妙なバランスに仕上がったレクサスのミドルサイズセダン新型「ES」

2018.12.24

商品として魅力的か ★★★★(★5つが最高点)

『ES』に限らないが、レクサス各車の美点のひとつは卓越した運転支援デバイスの数々が装備されていることだろう。その代表とも呼べるACC(アダプティブクルーズコントロール)とLTA(レーントレースアシスト)を、すぐにオンにした。繰り返しになるが、ACCとは前車との車間距離を自動的に一定に保ちながら、設定した最高速度の範囲内で追従走行する装置だ。

 LTAは、つねに車線の中央を走るようにクルマが路面とクルマの位置関係を監視していて、それから外れないように自動的にステアリングを細く修正していくものだ。『ES』では、ステアリングホイール右側スポーク上のスイッチで操作する。どちらも、一定速度で淡々と長距離を走り続けるような場合に重宝する。「クルマに運転を任せてしまうのは不安だ」と毛嫌いする人の理由も理解できる。

 しかし「任せてしまって」はいけないのだ。違反になる。現在の法制度の下では、いかにACCやLTAがドライバーの代わりを務められるくらい忠実だとしても、しっかりとステリアングホイールを握って操舵し、自車と周囲の安全をつねに確認し続ける義務がドライバーには課せられている。ところが、ACCやLTAなどは確実に安全性を向上させる。起こしていたかもしれない事故を未然に防いでくれると僕は確信しているので、『ES』に限らず他のクルマでもACCやLTAはオンにして走っている。

 レクサス各車が優れているのは、ACCやLTAの作動の様子がよくわかる点である。どちらも条件が揃わないと作動しないし、作動させていても予告なく解除される。だからが故に、ドライバーは常に注視しておかなければならない。その作動状況は、メーターパネル内に表示されるだけでなく、ヘッドアップディスプレイにも表示される。表示自体も大きく、カラーだ。他ブランドのクルマでは、まだまだ表示が小さくモノクロだったりするものも多い。

 さらに『ES』の表示は丁寧で、例えば高速道路や自動車専用道などで『ES』が車線の白線を認識している場合はモニター上に線だけで表現するのではなく、青い壁のように見える表現にしているといった具合だ。これだと、作動具合が一目瞭然で間違うことがない。ドライバーインターフェイスが丁寧に作られているのだ。

「眠くなるから、ACCやLTAは使わない」

 そう言う人もいる。僕は反対で、それらをオンにした途端に頭がスッキリする。車間距離を保ったり、車線内を維持することに使われていた神経と筋肉の働きから脳が解放されてリフレッシュするようなのだ。

 解放されると言えば『ES』はナビの目的地設定などの操作からも解放してくれた。ボイスコントロールを使ってナビの目的地設定を行った。これが、ほぼ百発百中の正確さだった。ヨーロッパ製高級車の日本語認識のレベルをはるかに凌駕している。ボイスコントロールは目的地設定だけでなく、さまざまな使い途があるので、これは使わない手はない。
 ACCやLTAなどの運転支援デバイスやボイスコントロールなど、最新のクルマは知能化が著しい。

「そんなのクルマじゃない」

「自分ですべて操ってこそのクルマの楽しみじゃないか」

 僕も最初は知能化を拒絶していた。しかし、時代は大きく変わりつつある。知能化によって、これまでクルマが宿命付けられていた事故が減り、ドライバーや社会の負担が小さくなるのならば大歓迎したい。任せられるものは、もうどんどんとクルマの知能に任せてしまおうではないか。それが社会に対する僕ら世代の務めでもある。運転の楽しみは、もう公道で享受できなくなったって構わない。

『ES』には、世界で初めて実用化されたものが装備されている。「デジタルアウターミラー」だ。詳しくはこちらの記事に書いたので、そちらもぜひ読んでほしい。『ES』の良いところばかりを書いたけれども、弱点もある。これも『ES』に限ったことではないのだが、レクサスとトヨタ車の日本仕様の最大の弱点はコネクティビティーの欠如だ。アメリカ仕様ではCarPlayやAndroidAutoを使ってスマートフォン経由でもインターネットに接続できるのに、日本仕様ではできない。

 それに関連して、専用SIMカードも装備されていないから車内でWi-Fiも使えない。5人乗りのセダンの後席に乗った人が真っ先に何を行うかと言ったら、スマートフォンやタブレット端末を取り出して、メールやメッセージの送受信を行ったり、SNSをチェックしたりすることではないか。それが“現代”というものだ。「Fスポーツ」よりも穏やかな味付けが足回りに施された、もうひとつのグレードであるバージョンLのほうが『ES』には合っているように思えた。柔らかく、ゆったりとした乗り心地が、少しばかりスポーティーなFスポーツの走りよりも、より『ES』らしさを表現できていると思う。

 いまや日本製の上質な4セダンは貴重だが『ES』の存在感は小さくない。過不足がなく、極端に走っていない運転感覚、先進的な運転支援と安全装備、上質な内外の仕上げなどが長所だ。造れそうで造れない“中庸”というキャラクターにうまく仕上げている。

■関連情報
https://lexus.jp/models/es/

文/金子浩久

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