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【2020年以降の日本を語る】〝モノ余り日本〟に必要なのはシェアリングエコノミーだ!星野リゾート・星野佳路代表

2018.12.23

「超高齢化社会が来ても、当社は進化していく」

夏目 最後に、星野リゾートさんは最近、若年層向けのプロジェクト※を実施されています。これにも理由があると思うのですが?

※20代の顧客が星野リゾートの温泉旅館「界」を安価に楽しめるプラン、35歳以下の顧客が2019年2月5日に開業する「星野リゾート BEB5 軽井沢」を安価に楽しめるプランなど。

星野 これも教科書通りの戦略です。若い方たちの旅行参加率は過去30年間にわたり続落していることが統計的にも現れています。これはインバウンドより大きい観光産業の課題であると捉えています。一方、星野リゾートは今まで、可処分所得が比較的高めで、平均年齢も若干高い方にご利用いただくようなブランディングをしてきました。そこで、若い段階で星野リゾートの施設をご利用いただき、ファンになってもらう施策を打つことが必要だと考えたのです。

夏目 東京の大塚と、北海道の旭川にある『星野リゾート OMO』は、訪れた人がつながるパブリックスペースがあったり、友人みたいな雰囲気のガイドさんが一緒に街歩きしてくれたりなどのサービスもありますよね。しかもお値段もお手頃です。これは20代の方を連れ出す仕組みにもなりますね。

星野 はい。観光市場には温泉、スキー、高級ホテルなど様々な施設がありますが、一番大きなマーケットは都市観光なのです。しかし、従来のビジネスホテルの調査を行うと、半分がビジネス客、半分が観光客で、両方をターゲットにしていたからどちらのお客様にとっても100%ご満足いただけない状態がありました。そこで、都市観光の観光客にターゲットを絞った施設を開業したのです。

夏目 若い方がスタッフと触れ合う機会があればファンの獲得にもつながりますしね。では、社会情勢を踏まえ、星野リゾートの今後についても伺いたいのですが。

星野 私は政策を決定する立場にないので、超高齢化社会が現実になっても会社が利益をあげ、優秀な人材が集まるような施策を考えます。なかでも現在、注力していることは「世界で通用する運営会社になる」ことです。今、日本はGDP世界3位ですが、人口減少も含め、世界での存在感を失いつつあります。そんななか、ドルでもユーロでも稼げる企業にしていくことが今の私の使命だと思っています。

現在、外資のホテルが東京・大阪だけでなく地方にも進出してきていて、例えば日光の「界」のすぐ近くにも外資のホテルができました。これは、私たちにとっての試金石だと思っています。ここでライバルに負けるようでは、世界に通用する運営会社になれないと感じています。

今後は日本で外資の企業との競争を勝ち抜き、むしろ日本から攻めて出る……それが今、当社にとって必要なことだと思っています。

星野代表は長野県出身でスキーが得意。写真は「星野リゾート トマム」でパウダースノーを愉しむ星野氏の勇姿

【プロフィール】
星野佳路(ほしの・よしはる)/1960年、長野県軽井沢町生まれ。1983年に慶應義塾大学経済学部を卒業し、1986年に米国コーネル大学ホテル経営大学院にて修士号を取得。1991年星野温泉旅館(現星野リゾート)4代目社長に就任。所有と運営を一体とする日本の観光産業において、いち早く運営特化戦略をとり、運営とサービスを提供するビジネスモデルへ転換。

取材・文/夏目幸明

なつめ・ゆきあき/1972年、愛知県生まれ。早稲田大学卒業後、広告代理店に入社。その後、経済ジャーナリストになり、各媒体で連載。著書は『掟破りの成功法則――破天荒創業者のマジ語り』(PHP研究所)など多数。

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