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2018.12.24

【開発秘話】計画の4倍以上のペースで売れているユニ・チャーム「超快適マスク 息ムレクリアタイプ」

■連載/ヒット商品開発秘話

 冬本番。マスクが欠かせなくなる季節の到来だ。

 マスクを長時間装着していて気になることの1つが息ムレ。自分の息がマスクの内側でこもることで起こる息ムレは、耳が痛くなることと同じくらい不快に感じる。

 この息ムレを解消するマスクとして現在、売れに売れているのが、ユニ・チャームが2018年1月に発売した『超快適マスク 息ムレクリアタイプ』である。最大の特徴は、内側にメッシュガーゼを施したこと。表側の超息楽フィルターでウィルスをブロックしつつも息はきちんと抜けるため、ムレが気にならない。現在、販売計画に対して4倍以上の勢いで売れており、生産が追いつかないほどだという。

不織布とテキスタイルの融合

 マスクは風邪や花粉症の対処だけでなく、予防の目的でも装着されるようになった。予防目的で使うと装着時間が長くなることから、ウィルスや花粉の遮断機能だけでなく、装着感や使用感に関する要望も強くなってきた。

 こうした背景から、まず耳が痛くならない『超快適マスク』が開発され、今から3年前に、『超快適マスク 息ムレクリアタイプ』が企画された。企画本部広報室の渡邊仁志氏は、企画された背景を次のように話す。

「マスクを予防目的で装着すると、つけている時間が長くなるので、『メガネのレンズが曇らないようにしてほしい』『息をしやすくしてほしい』といった意見が多く寄せられるようになりました」

ユニ・チャーム
企画本部
広報室PRグループ
プランナー
渡邊仁志氏(右)

 呼吸しやすく息が内側にこもらないマスクを実現するに当たり、同社の技術、製造の両部門が様々な角度から検討。マスクの素材である不織布の目を粗くする、といったアイデアも考えられたが、「お客様が価値を実感できるレベルに達しなかった」と渡邊氏。心地よさ、肌触りのよさ、通気性の高さから、肌と接触する部分にガーゼを使うことにした。

通気性実験の様子。マスクの上にウレタンを詰めた円筒を置き下からドライヤーで風を送ると、既存のマスク(右)はウレタンが動かなかったのに対し、通気性の高いガーゼを使った『超快適マスク 息ムレクリアタイプ』(左)はウレタンが舞い上がった。

 ガーゼを扱うのは同社では初めてのこと。ノウハウがまったくなかったことから、製造部門や技術部門からは「不織布で何とかならないのか」という声が出たこともあった。

 ガーゼが厄介な点は、コシがなく熱加工が難しいこと。マスクの形状に合うよう加工を自動化することに困難を極めた。それに、ガーゼはカットすると端面からほつれ、キレイに整えるのに手間がかかる。このような難問を、「技術力を結集して突破した」と渡邊氏は話す。

 また、ガーゼと不織布を組み合わせることも容易ではなかった。社内では「不織布とテキスタイルの融合」と表現されたが、異なる素材を組み合わせて加工することは、大変なチャレンジであった。

 渡邊仁志氏は、チャレンジの一例を次のように明かす。

「ガーゼはコシがありません。また、マスクは部位によっては強度が必要になります。そこで、強度が必要なところは熱をかけてシールすることにしました。薄く白い線のように見えるところが、シールしたところです。そもそも、ガーゼの素材である綿と不織布の熱融着は難しいのですが、強度が必要なところとそうでないところの温度を変え、強度が必要なところは高温で融着しています」

 もともとガーゼの加工ノウハウがないところにきて、技術的に難易度の高いことへのチャレンジ。「製造部門と技術部門のメンバーが、24時間体制で最適な加工条件を見つけていました。0.1℃単位で温度設定を変えていきながら、機械で加工できるどうかの検証を重ねていきました」と渡邊氏。サンプルを何百種類も手づくりしたり、加工条件を変えて機械で何十万枚もの試作品をつくった末に、最適な加工条件を探り当てた。

中央付近に見える白い破線のようなところが、熱でシールしたところ

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