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2018.12.11

【2020年以降の日本を語る】使命感や責任感を持ってインフラを支える・特殊高所技術 和田聖司社長

仕事中ふと「これは日本の国全体が抱える問題じゃ?」と思う瞬間はないだろうか? しかも現場を知り尽くす人間だからこそ、やるべきことがクリアに見えてしまう……。そこでこの連載では各業界のオピニオンリーダーに「現場から見える未来へ提言」を語ってもらう。第2回は“日本のインフラ”について。語るのは「この会社があるからインフラの寿命が数十年延びる」と言われる、株式会社特殊高所技術・和田聖司社長(46)だ。

ダムの壁面や、橋の裏側や、風力発電施設のブレードなどには、ひとたび建設すると簡単には辿り着けない場所が生まれる。点検したくても、足場を組むには莫大な費用がかかるため事実上むつかしい。そんななか、和田氏が率いる特殊高所技術のスタッフはロープにぶら下がるなどしてこれらに近接。点検、調査、さらには補修を行なっている。いまや海外進出も果たし、業績も急上昇している注目企業だ。社長の目からは、日本のインフラが抱える大問題が見えていた。

瀬戸大橋の現場で、和田社長の勇姿

夏目 具体的にどんな仕事をしているんですか?

和田 従来の方法では、人が辿り着けない場所で様々な作業を行っています。橋の点検方法の一例ですが、鋼材などに緊結したロープに、手で握るとゆっくり下降して、手を離すと止まる特殊な器具を取り付けて降りていくんです。そのほか、登ることや、横に移動することも可能です。今までは双眼鏡で視ることくらいでしか点検できなかった部分も、我々が近接すれば、鋼材やコンクリートの細かい損傷まで調べられます。また、ひび割れに補修剤を注入したり、鉄筋に防錆処理を施すなど、補修もできますよ。

夏目 和田さんたちでないとたどり着けない場所があるんですよね?

和田 そうですね。あと、橋の点検をするとき通行止めにしなくてもいいとか、工期が短くなるとか、いろんなメリットがあります。

夏目 高所恐怖症の僕には絶対ムリだ。

和田 キツいけど面白い仕事です。自分たちにしか見えない絶景があるんです。以前は私も現場に出ていました。瀬戸大橋にロープでぶら下がって見た夕焼けは、海をまっかに染めていて美しかったですよ、状況もあいまって(笑)。一方、都市部ではやっと辿り着いたら点検対象がハトのフンで覆われていて一苦労、といったこともありました。

アメリカで起きたインフラの老朽化は日本でも同様に起きると言われ続けてきた

夏目 和田さんの現場から見える問題のなかで、一番気になることは何ですか?

和田 日本では高度経済成長期から次々と道路やダムが建設されてきましたが、建設ラッシュから既に60年ほど経ち、老朽化しているものも多い。でも、我々が辿り着くまで誰も確認できなかった場所がたくさんあるんです。

夏目 和田さんが起業するまで、同じ技術を持った企業はなかったわけじゃないですか。いままでどうしてたのでしょうか?

和田 足場を組んで点検したり、双眼鏡で目視されたり……私達に依頼が来るような箇所については、ほぼ点検自体がされてこなかったと思います。

 ただ、日本の構造物はよくできていて、数年前も国道の橋のトラス鋼材が破断していたにも関わらず崩落せず、補修で済んだ事例がありました。とくに昭和初期の構造物は、建設するときに構造計算(ここにこれだけの力が加わっても耐えられる、といった計算)が正確にできなかったからか、やたら頑丈につくられていて、建設後数十年経って初めて点検をしてもまったく補修の必要がないこともあります。

和田 足場を組んで点検したり、双眼鏡で目視したり……。いずれにせよ、私達に依頼が来るような箇所については、点検自体が難しかったと思います。

 ただ、日本の構造物はよくできていて、数年前も国道の橋のトラス鋼材が破断していたにも関わらず崩落せず、補修で済んだ事例がありました。とくに昭和初期の構造物は、建設するときに構造計算(ここにこれだけの力が加わっても耐えられる、といった計算)が正確にできなかったからか、やたら頑丈につくられていて、建設後数十年経って初めて点検をしてもまったく補修の必要がないこともあります。。」

 だからといって、点検しなくていいわけではないと思います。米国では1980年代に「荒廃するアメリカ」という著書が出版され、そのタイトルが当時のアメリカを象徴する言葉になったと言われています。日本よりも高度経済成長期を早く迎えたアメリカでは、社会インフラの建設ラッシュも日本より早く、アメリカで起きたインフラの老朽化は、日本でも同様に起きると言われ続けてきました。

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