人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

【2018ヒット商品開発秘話】4か月で30万個出荷!売り切れ続出のバンダイのカプセルトイ「だんごむし」

2018.12.23

試作数は10回超試作数は10回超試作数は10回超。「国内で作れば相当高い。僕は香港駐在時に付き合いのあった原型工場に発注できたので相当抑えられた」。

原型試作のための設計書や資料集原型試作のための設計書や資料集。「本物のダンゴムシの資料を元に、本物に近い構造を作り上げることで独特の可変形態を実現できました」

「全人口がターゲットだ!!」

『みなさんは、ダンゴムシとワラジムシの違い。わかりますか?』

 月1回の定例企画会議。誉田さんは、そんな第一声で始めた。

「実は球体になるとき、足はくいっと内側に収縮する」「ウイルス感染すると青くなる」など、試作をつくるうちに学んだ知識と共に、「ダンゴムシがいかにユニークな構造か。またいかに日本中の子供と元子供たちに人気があるか」を30分以上かけて伝えた。市場予測と売り上げ見込みをズラリと並べた企画が次々と提案される中、「明らかに浮いていた」と笑う。

「とにかく本気だと熱っぽく伝えた。『誰しも成長過程でダンゴムシを好きな時があったはず。全人口がターゲットだ!』と訴えて」

 しかし、熱は伝播するものだ。何より試作をもう作り始めているインパクトは大きかったに違いない。最後は事業部長が根負けして「チャレンジしてみよう!」とゴーサインを出した。

「まあ、その後も試作は続いて苦労して。やっと1年後に製品化にこぎつけられたんですけどね」

 発売決定のプレスリリースを出すと、直後からネット上でバズった。例の「バンダイさすが!」だ。

「広報が知恵を絞ってくれて『2年かけて開発』『ムシ嫌いの担当者がムリをした』と物語を添えてくれた。そう、実際、僕は昆虫が苦手で、けっこうキツかった(笑)」

 こうして8月の発売日には、そこら中で売り切れ続出。これまでガシャポンをしなかったビジネスマンやOLが並んで買う姿がその後も続いた。「全人口がターゲット」は、ハッタリじゃなかった。

「マーケティングデータが精緻に見える時代だからこそ、根源的な喜びや楽しさを見逃すことがある気がする。子供の頃、皆が楽しんだのに忘れていたダンゴムシはまさにそれ。数字だけじゃみえにくい〝エモいところ〟にはまだまだチャンスがあると思うんですよ」

 ちなみにこのヒットを機に社内は「月1本はチャレンジングな商品を出そう」というムードに変わったという。エモい。さすがだ。

 熱はやっぱり伝播するのだ。

バンダイだからできた、と言われますが、全然違う。数字重視の企画会議にどう挑むか――

誉田氏

取材・文/箱田高樹(カデナクリエイト)

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2019年9月14日(土) 発売

DIME最新号の特別付録は「デジタルスプーンスケール」!さらに激変するスマホの大特集に最新iPhone情報も!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 10401024号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。