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「人生100年時代に必要なのは、学び続けること」メディアアーティスト・落合陽一

2019.01.02

アートを学ぶことで物事の複雑性が理解できる

――最近は学校教育以外の、生涯教育やビジネスにおいても、アートは重要なスキルとして改めて見直されています。なぜアートを学ぶことが大事なのでしょうか?

 アートを学ぶことで物事の複雑性を理解できるからです。日常生活やビジネスはどんどんシステム化し、巨大かつ複雑になってきています。その巨大で複雑なシステムの中からイノベーションを起こすには、観察力を養い、今あるシステムや常識を疑い、それを超えるための深い思考が必要です。それが〝アートの要素〟なのです。

 STEMが論理的思考であるとするなら、アートは感覚的・直感的思考です。この感覚や直感をただの当てずっぽうではなく、論理的思考を牽引し、時には行き詰まった論理をブレークスルーするためのものとして使うためにも、アート教育が必要となります。

――学校教育ではSTEAM教育が含まれていないのでしょうか。

 学校教育においては、教科的に比較的網羅されているといってよいのですが、今後いっそう重要になってくるであろう次の4つの要素が圧倒的に不足しています。

・ 言語
・ 物理
・ 数学
・ アート

 具体的には、言語化する能力、物理的なものの見方、数学を用いた統計的判断、アートの鑑賞能力です。

 STEAM教育において、「言語」はアートに含まれ、「物理」はサイエンスに入るでしょう。

 この4つの要素は、正解を見つけるためではなく、自ら課題を発見し実践しながら学び続けるために必要なツールとなります。また、物事を思考する時には、一方向からの解釈にとらわれない、多方面からのアプローチが重要です。正解がない、もしくは正解が無数にある21世紀においては、課題を解決したり、新しいものを創造する時、様々な要素を行き来し、それらを統合した視点で提案すべきなのです。

 具体的にはデータを取って数学の手法で参照したり、環境や条件を変えて物理的視点で実験したり、時にはアート的な手法を試みるといったやり方を組み合わせ、4つの要素を横断的に思考することで、21世紀の様々な課題解決に役立ち、イノベーションを起こすことができるのです。

 例えば、言語的な能力として身につけたいのは、アカデミックライティングと、自分の頭で考えを深め、それを言語化、つまり言葉にして話す能力です。インターネットで調べたことや、誰かに聞いた話をそのまま話すだけでは、その能力を高めることはできません。調べたことや聞いたことについて、自分なりの思考をプラスし、抽象的なこともできるだけわかりやすく言語化する習慣をつける必要があります。言語化する習慣は、アートの鑑賞能力の向上にも有効です。

落合陽一【落合陽一(おちあい・よういち)

1987年生まれ。メディアアーティスト、博士(学際情報学)。筑波大学学長補佐・准教授・デジタルネイチャー推進戦略研究基盤代表、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学客員教授を兼務。ピクシーダストテクノロジーズCEO。

8才からパソコンを始め、動画作成やプログラミングに夢中になる。中学時代にギターを分解したことをきっかけに、波動に興味を持つ。筑波大学でメディア芸術を学び、東京大学大学院学際情報学府にて博士号取得(学際情報学府初の早期修了)。2015年米国WTNよりWorld Technology Award 2015、2016年Ars ElectronicaよりPrix Ars Electronica、EU(ヨーロッパ連合)よりSTARTS Prizeなど国内外で受賞。『これからの世界をつくる仲間たちへ』など著書多数。

『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書』『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書』

11月29日発売
著/落合陽一 小学館 1300円
「人生100年時代」に必要な学び方のヒントを解説。幼児期から現在までの軌跡も紹介し、落合陽一を知る入門書としても最適。
@zero100ochyai

取材・文/出浦文絵

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