取材からわかった『紅茶花伝 クラフティー』シリーズのヒット要因3
1.大人を取り込めた
紅茶飲料のメインユーザーは若い人たちで、大人になると人工的な甘さなどを理由に離れる傾向があった。大人をターゲットにした甘みのある新しいお茶としてゼロベースで発想し開発。たっぷりの果汁がもたらす果実感と自然な甘さが、ターゲットとした大人から支持された。
2.奥深い味わい
たっぷりの茶葉で抽出した紅茶に100%果汁をたっぷり使いブレンド。紅茶の香りや渋み、フルーツの味や香りの両方が楽しめるだけでなく、両方がブレンドされたことによって生まれる様々な味わいが特徴だ。ひと言では言い表せない奥深い味わいが、大人にはウケが良かった。
3.『紅茶花伝』のブランド力
紅茶と果汁のミックス、はちみつの使用、紅茶飲料らしくないパッケージデザインなど、チャレンジを試みたが、購入につながったのは、『紅茶花伝』のブランド力もある。消費者からすると、強いブランド力があるからこそ、色々冒険しても商品に信頼が置けた。
いまどきのカフェでは、紅茶にフルーツがたくさん入っていることも珍しくない。『紅茶花伝 クラフティー』はこのトレンドが顕在化する前から考えられ、登場と同時に時流に乗った。売れる商品をつくるには、不断の研究開発はもちろん重要だが、発売時期も重要なファクターとなる。
製品情報
https://c.cocacola.co.jp/kochakaden/craftea/
文/大沢裕司
ものづくりに関することを中心に、割と幅広く色々なことを取材するライター。主な取材テーマは商品開発、技術開発、生産、工場、など。当連載のネタ探しに日々奔走中。近著に「バカ売れ法則大全」(共著、SBクリエイティブ)。