紅茶だけど果実感を伝えるパッケージデザイン
『紅茶花伝 クラフティー』は中身だけでなく、パッケージデザインも紅茶飲料らしくないものにした。果実をメインに押し出し、ブランド名とブランドロゴがなければ紅茶飲料とは思われにくい。赤部氏もデザイナーからこのパッケージデザインの提案を受けたとき、「これは格好いいけど、紅茶と思ってくれるかな?」とやや心配に思ったほどだった。
現在のデザインに決まるまで、数十の案を検討した。「デザイナーには、大人でも日々飲めるほどよい甘さで、しっかり果汁感が感じられる紅茶だということ、現在市場にある紅茶飲料とは違う提案になるということを伝え、新しさも押し出したデザインにしてください、とお願いしました」と赤部氏。検討段階ではナチュラルなものから洗練されたものまで、様々な案が出てきたが、その中から果実感がしっかり伝わる現在のものに決まった。
「クラフティー」というネーミングも、長い検討の末に決まった。手作業を意味する「クラフト」と紅茶の「ティー」を合わせた造語だが、「手仕事感、手づくり感を大事にしてつくったので、『クラフト』という言葉はフィットすると思いました」と赤部氏は振り返る。
素材と製法と味わいの訴求に注力
完成した『紅茶花伝 クラフティー』は上質な大人向けという提案が小売店のバイヤーにも支持され、発売と同時に大きな売場面積を確保。その状態を現在も持続しているという。
商品を知ってもらうために、テレビCMを放映したほか、ポスターもつくり、素材と製法と味わいの訴求に注力。シェフが登場してつくる姿などを見せることで、ストレートに「飲んでみたい」と思わせるようにした。
商品のポスターは製法と味わいを訴求。シンプルだが力強いものがある。イメージキャラクターを務めるのは、アメリカを拠点に人気レストランを複数展開し、世界の食トレンドに精通したオーストラリア出身のセレブシェフ、カーティス・ストーン氏
また、サンプリングも積極的に実施。LINEを使いコンビニエンスストアで引き換えられるクーポンを配布したほか、Twitterを使ったプレゼントキャンペーン、スーパーマーケットの店頭での試飲に取り組んだ。
〈贅沢しぼりオレンジティー〉発売時に実施された、TwitterとInstagramを活用したハッシュタグキャンペーンに当選するとプレゼントされたスペシャルセット(商品2本とオリジナルストロー)
購入しているユーザーはこれまでの紅茶飲料と異なり、年齢が少し高めの人たちの比率が高い。既存の紅茶飲料ユーザーが移ってきたというよりも、滅多に紅茶飲料を飲まない人や、かつて飲んでいたが年齢が上がるにつれる飲まなくなってしまった人が購入するケースが多いという。
〈贅沢しぼりオレンジティー〉の売れ行きが好調な中、10月に〈贅沢しぼりピーチティー〉が発売される。開発は、〈贅沢しぼりオレンジティー〉の開発で得たノウハウを生かして開発。「オレンジは酸味、ピーチは甘みが特徴的。甘い香りを消さないようしました」と赤部氏は言う。