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2018.12.03

小さな会社の若手社員が大企業の役員や部長のような物言いをする理由

■連載/あるあるビジネス処方箋

 私が取材を通じて感じている限りだが、小さな会社(この場合は正社員数が200人程)の場合は、特に20代の社員の発言や行動が際立つ傾向がある。大企業の20代の社員とは大きく違うのだ。一言でいえば、小さな会社の20代の社員の言動は、大企業の40~50代の部長や役員のように見える。たった数年のキャリアで数十年のベテランのような物言いをする社員が多い。

 今回は、小さな会社で20代の社員が、大企業の40~50代の部長や役員のように振る舞う背景を私の取材で得た知見をもとに考えたい。

会社員でありながら、個人事業主

 小さな会社は、組織の態勢が一般的には未熟である。就業規則や人事制度、人事評価などが多くの社員の意識に十分には浸透していない。毎年の新卒採用は一部の会社を除き、行われていない。主流は中途採用であり、個々の社員の経歴や仕事歴などはバラバラになっていることが多い。

 全社員が他部署へ数年ごとに異動になる「定期異動」もない。結果として、ある社員は1~2年で他部署へ移り、ある社員は10年以上、在籍する。経営理念や価値観、意識、目標の共有化が全社規模で長年にわたり、行われているわけでもない。

 ここまで組織化が不十分であると、個々の社員がバラバラの行動を取るようになる。個々の社員が独自の考えや仕事観、仕事の仕方や進め方をする。会社員でありながら、個人事業主のような意識や感覚になる。

 これでは、社員間の競争にはなりえない。ところが、小さな会社では大企業以上に成果や実績で判断する傾向がある。無理の上に無理を重ねているから、社員はあきらめ、失望し、次々と辞めていく。結局、残る社員はこんな会社でも満足できたり、不満であっても残らざるを得ない人たちが多い。優秀な人は20代で早々と退職するから、30~50代と残る人はそれなりのレベルの人が多い。ここに、20代の社員が許容範囲を超えるほどに生意気になる下地や風土がある。

20代を抑えつけるものがない

 小さな会社の特徴は、個々の社員が独自の判断で、言い換えると勝手な判断で仕事を進めたりすることが、大企業よりははるかに多いことである。それに対し、上司や周囲の社員が厳しく叱ったり、指摘したりすることは少ない。はるか前から社員の定着率は低く、管理職の部下の育成力やマネジメント力は概して低い。管理職は、部下の仕事の現状や課題を迅速に正確に把握することがなかなかできない。そのような技能や技術を身につけさせるような訓練や研修の場はほとんどない。

 結果として、20代でわずか数年勤務しただけで、40~50代のベテランのような物言いをする社員が現れるようになる。つまり、怖いものがないのだ。大企業ならば、30代の社員が多数いるから、何らかの形で抑えつけられる可能性が高い。大企業の管理職は、一般的には部下育成などの教育訓練を受けていることが多い。許容範囲を超えるほどに生意気な20代はやはり、抑えつけられる。

 誰もが認めるほどに優秀ならばともかく、小さな会社ではそのような人は少ない。そもそも、そこまで優秀な人は、小さな会社にはわざわざ入社しない。結局、小さな会社では20代の社員が部長や役員のような物言いをしたり、態度をとったりすることが十分に可能になる。

 まして、今は深刻な人手不足だ。小さな会社は採用力が弱いから、代えの人材がいない。経営陣は、こんな生意気な20代の社員に「辞めてもらっては困る」と言わんばかりに譲歩せざるを得ない。許容範囲を超えるほどに生意気な社員が現れるのは、このようなところに大きな理由がある。

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