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2018.11.29

オランダでデオドラントスプレーを吸引した19歳男性が死亡

デオドラントスプレー吸引で19歳男性が死亡

気分を高揚させるためデオドラントスプレーを吸引(huffing)し、心停止状態となって死亡した19歳のオランダ人男性に関する報告書が「BMJ Case Reports」11月15日オンライン版に発表された。

報告書をまとめたマーススタット病院(オランダ)のKelvin Harvey Kramp氏らは、多くの家庭で使用されているエアゾール製品は時に死をもたらす可能性があるとして警鐘を鳴らしている。

男性は死亡した当時、薬物依存症患者向けのリハビリテーションプログラムを受けていた。こうした“スニッフィング(sniffing)”とも呼ばれる吸引による薬物の乱用は、この数年は注目を浴びる機会が減っているが現在も珍しくはない。

2017年に米国で実施されたある調査では、12~17歳の青少年の約9%に洗浄剤やスプレー塗料、接着剤、マジックペン、ライターの液体燃料などを使って気分を高揚させようとした経験があることが明らかにされている。

中毒医療の専門家で非営利団体である米首都中毒センター(National Capital Poison Center)のKelly Johnson-Arbor氏によると、特に子どもたちは入手しやすい家庭用品に興味をもちやすく、また、これらの製品は無害だと思い込んでいる子どもも少なくないとの見方を示している。

Kramp氏らは今回、ケタミンと大麻の乱用が原因でリハビリ施設に入所していた19歳のオランダ人男性の死亡例について報告した。

この男性は、薬物の代わりに気分を高揚させるためにスプレータイプのデオドラント製品に手を出した。報告書によると、吸引後に男性は興奮状態になり、飛び跳ねる動作を繰り返した後、崩れ落ちるように倒れたという。

すぐに看護師が蘇生術を行ったが、救急スタッフが到着したときには男性は心停止状態だった。携帯型除細動器による蘇生を試みたが、男性の意識は戻らなかった。

男性は搬送先の病院で人工的な昏睡状態におかれていたが、1週間以上が経過しても状態に改善はみられず、さらなる治療も効果は期待できないとされ、生命維持装置が外されて間もなく死亡した。

Kramp氏によると、多くのエアゾール製品と同様、デオドラントスプレーにはブタンを主成分とする可燃性のガスが含まれている。

ブタンやその類似物質は神経系の組織を含む脂肪組織に吸収されやすいため気分を高揚させる作用があるが、心臓などの臓器に深刻な影響を与える可能性もあるという。

なお、これまでにも多数の物質の吸引に関連した死亡例が報告されている。

しかし、Kramp氏は今回の症例報告の意義について、「特に薬物依存症のリハビリ施設に入所している人はこうした物質の乱用に走りやすいことが広く認識され、化学物質吸引の危険性について若者に注意喚起するきっかけとしてほしい」と話している。

(参考情報)
Abstract/Full Text
http://casereports.bmj.com/content/2018/bcr-2018-224345.abstract

構成/編集部

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