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2018.11.29

日本は10年後も3大経済大国の地位を維持できるか?

アメリカの大手総合情報サービス会社・ブルームバーグでは、世界20市場で活躍するビジネス・プロフェッショナル2,000人を対象にしたニューエコノミー・グローバル調査を実施。「10年後の経済大国」「5年後の世界貿易量の増減」など、興味深い見通しが発表されたので、早速、紹介していきたい。

中国、米国、日本は10年後も世界の3大経済大国の地位を維持。わずかの差でインドが続く見通し

世界のビジネス・プロフェッショナルの半数は、新興諸国の台頭に伴い、多国間自由貿易や国境開放を主軸としたグローバル化モデルが有効であるものの、恩恵がより幅広く均等に配分されるようモデルを微調整する必要があると考えている。

今から10年後にどの国が世界の3大経済大国になっているかとの質問で多かった回答は、中国(86%)、米国(70%)、日本(36%)だった。

日本の回答者の48%は、グローバル貿易システムは短期間で、あるいは時間をかけて回復すると答えたものの、回答者の28%が回復は不可能で別のシステムに取って代わられるだろうと回答した。これは世界で3番目に高い割合だ。

米中貿易摩擦によって引き起こされる可能性について6つの選択肢から選ぶ際、全体の回答者の14%に比べ、日本の回答者の22%が米国よりも中国の方が苦しむだろうと回答した。

グローバル化に伴う不確実性をいかに乗り切るべきかという点について、日本の回答者は、グローバルビジネスは何も変わることはないため、その流れに抵抗すべきでないと答えた回答者が日本は回答者の23%と世界の6%と比べ最も多い結果に。

ブルームバーグ・メディア・グループのジャスティン・B・スミスCEOは次のように述べている。「ニューエコノミー調査は、来月シンガポールで開催するNew Economy Forumで議論される主要テーマの一つである、移行期にあるグローバル経済に対する人々のセンチメントのバロメーターとなります。調査の結果、将来についての認識に大きな乖離があることが明らかになり、世界が直面する最も重要な課題への民間主導のソリューションを見出すことに、世界の政財界のリーダーが一丸となって取り組む必要があることが浮き彫りになりました。」

グローバル・ガバナンスについては早急の対応が必要

「最も重要で早急な対応が必要な世界的課題は何か」という問いでは、グローバル・ガバナンス(26%)が最も多く挙げられた。この回答は、インド(39%)、フィリピン(35%)、マレーシア(31%)、中東(41%)で特に高い回答率を得ている。
これは、政府のリーダーシップに対する信頼感の欠如を示唆しているが、それでも全世界の回答者の75%は、世界的課題を克服するためのイニシアチブにおいて、世界のリーダーや各国政府が主導力を発揮するべきだと答えている。現在直面する世界的課題に対して、企業や民間の主導で対応するべきと答えたのはわずか10%だった。

スミスは、新しい経済秩序に伴って浮上する問題に政府が対応していないため、民間が取り組む以外の選択肢はないと指摘している。「我々は、民間企業はこれまで以上に世界的な重要課題に対するリーダーシップが求められていると考えています。貿易やビジネスにおいて新興諸国が果たす役割がますます大きくなっている今、新たな世界秩序の変化に伴って、こうした転換期がもたらす長期的影響について真剣に話し合い、行動を起こすことが急務となっています。」

新興国市場と先進国市場との見解の相違

意外なことに、保護主義的感情が高まっている先進国よりも開発途上国の方が、貿易見通しについて楽観視していることが調査で明らかになった。新興国のビジネス・プロフェッショナルの63%が、5年後には世界の貿易量は増加していると回答。この回答は中国(66%)、インドネシア(74%)、フィリピン(76%)、タイ(80%)、インド(71%)で特に多くみられた。対照的に、世界の貿易量が5年後に増加していると思うと答えた先進国のビジネス・プロフェッショナルは36%に留まっている。

ブルームバーグのチーフエコノミストであるトム・オーリックは次のように述べている。「調査で分かった注目すべき点として、世界の貿易見通しに対する新興国の楽観的な見方と先進国の悲観的ムードには、大きな乖離がありました。これは、新興国では、貿易戦争に突入した場合の損失が予想より小さくなる可能性があることを示唆しています。企業が貿易見通しに対し、根本的に楽観論を維持している限り、雇用や投資は継続され、関税という貿易障壁が高くなったとしても更なる経済成長が期待できるでしょう。」

新興国の回答者はまた、先進国のビジネス・プロフェッショナルと比べて将来に対する確信も強く、また将来に対する備えにも積極的であるという結果になった。新興国の回答者の66%が新しい技術を学んでいると答えたのに対し、先進国での割合は43%だった。新興国では56%の回答者が自身のスキルアップや新たな専門知識の習得に取り組んでいると答えたのに対して、先進国では29%という結果に。新興国のビジネス・プロフェッショナルが新たなベンチャー企業を立ち上げる必要性を認識し(35%)、社会全体がもっと環境に配慮すべき(50%)と考えているのに対し、先進国のビジネス・プロフェッショナルはそれぞれ10%と37%だった

テクノロジーが将来の経済の推進力となる

回答者全体の60%が将来に備えて新しい技術を学んでいると回答したが、その割合は先進国では低く(43%)、特に米国(30%)、英国(33%)、ドイツ(42%)で低い結果に。

新興国、特に中国、インド、ベトナムのビジネス・プロフェッショナルは人工知能(AI)への志向が非常に高く、AIによって新たな職業機会が生まれ、実質的には経済に恩恵がもたらされると考えている。新興国のビジネス・プロフェッショナルで、将来に備えるための計画が何もないと答えたのはわずか5%だった。

一方で、先進国では27%のビジネス・プロフェッショナルが将来に備えるための計画が何もないと答え、回答者全体の平均(12%)を上回った

出典元:ブルームバーグ エル・ピー

構成/こじへい

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