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2018.11.23

もうひとつの京都の魅力を探る旅【海の京都編】

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

 【海の京都編】京都観光といえば、古都・京都の歴史ある神社や仏閣めぐり、桜や紅葉が思い浮かぶが、千年の都である京都よりも古い歴史があり、都の食を支えた食材の宝庫であり、手つかずの自然がそのまま残されている「もうひとつの京都」がある。

 宇治茶の産地「お茶の京都」、里山の風景が美しい「森の京都」、日本海の自然豊かな「海の京都」、竹林が広がる「竹の里・乙訓」で、京都府ではこれらのエリアを「もうひとつの京都」として、その魅力を発信している。

 トレンド探検隊では4つのエリアを巡り、それぞれの見どころを探ってきた。今回は「海の京都」を紹介する。

「海の京都」エリアは京都府北部の宮津市、京丹後市、舞鶴市、福知山市、綾部市、伊根町、与謝野町で構成されている。日本三景の「天橋立」、“日本で一番美しい村”に認定された「伊根」など、都の京都とは異なる魅力があるエリアで、海と山の幸に恵まれた食の王国でもある。アクセス、スポット、グルメ紹介、モデルコースなど詳細は「海の京都」サイトを参考に。

伊根の舟屋(伊根町)

 水際ぎりぎりのところに建てられた独特の建造物「舟屋」が並んでいる伊根浦地区は「伊根の舟屋」として知られる。230軒の舟屋が並ぶ集落は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている漁村としては日本で唯一の景観だ。舟屋は1階が舟のガレージ、2階部分が居住スペースになっており、約350世帯が暮らしている。

 1700年代中期から後期には舟屋があったと言われるが資料が残されておらず詳細は不明。舟屋周辺には古墳が出土しており、5世紀には人々が住んでいたが、舟屋ができるまでは海岸ではなく山の中腹に住み、海と距離を保ち安全を確保していたという。長い時を経て、この地は高波や台風の影響を受けにくいとわかり、海岸ぎりぎりに舟屋を建てるようになった。

 妻側を海に向けた建物を建てることができるのは、伊根町にしかない条件が揃っているためだ。条件のひとつが三方を山に囲まれた伊根湾の中で、唯一開口している場所に青島があるため。青島が防波堤の役割を果たし、波が立ちにくい立地になっている。

 もうひとつは干満の差が少ないということ。日本海側は太平洋側より干満差が少ないが、湾になっていることで太陽と月の引力を受けにくく、大潮と小潮の差が50cmほどしかない。

 実際に舟屋を見てみると、戸がない、もしくは格子になっており風が抜けやすい構造で、さらに隣同士が密接しているので横からの風にも強く倒れにくい造りになっている。今まで台風で崩壊までの被害を受けたことはないという(※今回は特別に許可を得て撮影したが、舟屋は個人宅なので見学、撮影はガイド付きツアーに限られるため、観光の際は注意)。

 漁師にとっては海沿いに舟小屋があるのは住居からすぐに海に出られる環境であり、1階のガレージで獲った魚をすぐにさばいて、海水で洗うと鮮度が落ちないなど利便性も高い。だが現在は漁師の数が減っていて、舟屋群地区の住民900人ほどのうち漁業として就労している人は200人に満たないそうだ。

 戦前までの舟屋は完全に舟のガレージとして機能していて、住居は通りを挟んだすぐ裏手の母屋を持つ人が多かったという。舟屋の裏側にあたる通りは情緒があり散策にぴったり。ただし生活の場でもあるので、観光の際は住民の方に配慮をしながら楽しみたい。

 伊根の散策に便利なのが、無料で使えるレンタサイクルの「コミュニティサイクル」。観光客だけでなく地元の人も利用している。5つのサイクルポートがあり、どのサイクルポートからでも乗り降り自由。

〇向井酒造

 舟屋群地区にある「日本で一番海に近い酒蔵」が向井酒造。江戸時代の宝暦4年(1754年)に創業した酒蔵で、現在は女性杜氏の向井久仁子さんが伝統を受け継いでいる。舟屋は倉庫として機能、母屋に醸造所、店舗がある。

 蔵人の澤田貴司さんが持っているのが、古代米を使った赤米酒「伊根満開」。古代米の「紫小町」を使った鮮やかな赤色のフルーティーで酸味のある日本酒で、冷、燗、ロックでも楽しめる。店内では「伊根満開」や代表銘柄「京の春」の試飲もできる。

〇伊根湾めぐり遊覧船

 約30分かけて伊根湾内を周遊し、青島や海からの舟屋の風景を見ることができる。毎時0分、30分に出発(大人680円/子ども340円・税込)。船の周囲にはカモメ、ウミネコ、トンビがエサをねだって飛んでいて、乗り場や船内で販売しているかっぱえびせんをあげると足やくちばしを使い空中で見事にキャッチ!

 地元の漁師が解説しながら伊根湾を周遊する海上タクシーも数社ある。伊根湾内の好きな場所から乗ることができる、2名から乗船可、ペット同伴可、舟屋見学ができるなど融通が利く船も多く、料金も大人1000円とお手軽なので個人の旅には使いやすい。

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