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2018.11.10

マクラーレン「600LT」は公道で走れる最速の超辛口スポーツカーだ!

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

 マクラーレンの限定モデル「600LT」にハンガリーのハンガロリンクサーキットで乗った。この「600LT」は、マクラーレンの「スポーツシリーズ」の中で最も軽く、最もパワフルで、最も速い公道走行可能なモデルとして企画された、超辛口スポーツカーだ。

「600LT」は「スポーツシリーズ」の基軸モデルである「570S クーペ」よりも約100kg軽量化され、3.8L、V8エンジンは車名となっている通り最高出力600馬力と最大トルク620Nmを発生する。軽い車体に強力なエンジンを搭載するわけだから、その分、速くなる。

機械として優れているか?★★★★★(★5つが満点)

 なんと、停止状態から100km/hまで達する加速タイムがたったの2.9秒。この値が3.0秒を切るクルマというのはまれで、同じマクラーレンのひとつ上の「スーパーシリーズ」のLTモデルである「675LT」(つまり、最高出力675馬力!)に匹敵する。さらに、200km/hに達するのにも8.2秒しか要さず、最高速度は328km/hにものぼる。クルマを速くするにはエンジンパワーを上げるか、車体を軽くするかが原則だったが「600LT」はふたつとも徹底されているのだから速いのも半ば当然のことだ。

 軽量化は、あらゆるところで実施されている。アルミニウム製の新しいシャシー、コクピット全体にわたる軽量素材の装備の採用などによって、乾燥重量で1247kgにまで削減された。パワー・ウエイト・レシオは、2.08kg/馬力という驚異的なものに仕上がった。標準装着されているカーボンファイバー製シートでも21kgも軽量化に貢献しているというのに、オプションの超軽量カーボンファイバー製シートを選べば、さらなる軽量化も可能というから畏れ入ってしまう。

 パワーアップと軽量化だけでなく、空力特性向上のために拡張されたフロントスプリッターやリアディフューザー、固定式のリアウイング、カーボンファイバー製のフラットボトム等々もまた「600LT」専用パーツが奢られている。他にも、まだまだ「600LT」が速さのために工夫を凝らしているものはたくさんある。多すぎて書き切れないくらいだ。

 前述したスタンダードの「570Sクーペ」でさえも十分以上に速いのに、さらにその上を行こうというのが「600LT」である。比較のために「570Sクーペ」でまずコースを3周した。アップダウンがあり、大小さまざまなコースが組み合わされたハンガロリンクのコースで、「570Sクーペ」は文句ない速さを示した。

 速いだけでなく、乗り心地が良く、快適なこともマクラーレン各車に共通した美点だ。ストレートエンドで、200km/hからの急減速を試みても、車体は安定し、ブレーキにはフェードの兆候すら伺えない。コースに慣熟してくるにつれて少しずつペースを上げてみても、コーナリングスピードを上げながら、周回を重ねていく。これ以上なにを望むのかといった速さであり、完成度の高さだ。

 そして「600LT」に乗り換えると、まずエンジン排気音からしてまったく違う。テールパイプが上方に向けられているため、頭のすぐ後ろで響いている。身体が震わされるようだ。さきほどの「570Sクーペ」も、他のスポーツカーに較べれば引き締まった乗り心地だったが、「600LT」はそれをさらにシェイプアップさせている。ステアリングの斬れ味も鋭く「570Sクーペ」とは明らかに異なっている。

 コースを一周し、ホームストレートで速度を上げていくと、200km/hを越えた辺りで第1コーナーが見えてくる。ブレーキペダルを強く踏み込んだ途端に、最初の驚きが訪れた。一気にスピードが殺され、タイヤが路面に押し付けられていくのがわかるくらい踏ん張っていく。自分ではギリギリまでブレーキを我慢したつもりだったが、まだまだ余裕があった。「600LT」は姿勢を乱すこともなく、安全な速度で第1コーナーをクリアしていった。ブレーキは、恐ろしいまでに強力でありながら、それを受け止めるシャシーも強固で少しも姿勢が乱されることがない。

「600LT」のブレーキは、軽量のアルミニウム製キャリパーと剛性に優れたカーボンセラミック製ディスクが組み合わされている。ワンランク上級の「スーパーシリーズ」のシステムが流用されている。まったく新しいブレーキブースターとの組み合わせによって、ブレーキング中のペダルの感触と反応を大幅に向上させ、200km/hから停止状態までの制動距離も117mと、限定生産されたハイパーカー「P1」よりも1m長いだけ。

 次に驚かされたのは、優れた空力特性だった。ストレートやゆるやかな高速コーナーを走っている時に、高速で流れる空気の力でボディを路面に押し付け、安定させていることがわかる。自分で運転している時と同じように、マクラーレンのテストドライバーが運転する助手席に乗った時でもそれは明瞭に感じ取ることができた。「600LT」は、サーキット走行でさえも容易にはその限界を探ることが困難なほどの超高性能を持っている。

 オプションパーツを装着すれば、さらなる性能向上も可能だというから感嘆するしかない。公道走行が可能でありながら、ハイレベルなレーシングカーに限りなく近い性能を持っている。

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