
■Introduction
ハイエンドオーディオの世界でささやかれているのが、ルビジウムで音が良くなる、やっぱりセシウムの方がいいとか。オーディオの話題とは思えないが何のことなのか。まず、PCAudioはデジタルなのに音が悪くなるのはなぜか。その原因の一つにジッターが挙げられている。ジッターとは何か? カンタンに言えばジッターはデジタル信号のノイズである。特に音質に悪影響を与えるのがクロックジッターである。クロックジッターのクロックとは、信号のタイミングをとるための基準信号である。例えばDACのIC動作用マスタークロックとかPCM信号クロックなど。クロックジッターは時間軸に対する不確実性要素となる。これは外部からのノイズではなくクロック自体の誤差から生まれるジッターなので防ぐことはできない。
DACに内蔵されたマスタークロックには、水晶発振クロック、デジタルシンセサイザー、PLLクロックの3種類がある。よく使われるのがS/PDIFデコーダーまたはUSBデコーダー部のPLLクロックである。ハイエンド機器では専用の高精度水晶発振クロックを搭載してジッター量を下げる工夫がされている。CDトランスポートもPCもDACもそれぞれがマスタークロックを持っている。
左側に見える銀色の部品が水晶発振器。22.5792MHzと24.576MHzの超高精度マスタークロックで、44.1kHzと48kHzの512倍のクロック信号を出力する