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2018.11.12

上司の約3割が「叱れない」、社会問題化するパワハラ防止のカギは?

一般社会のみならず、スポーツ界でも様々なパワハラ報道が多発する昨今。厚生労働省がパワハラの防止策づくりを企業に義務付ける法律を整備する検討に入ったとの報道があったが、「職場のいじめ・嫌がらせに関する相談」は増加傾向で、「嫌がらせ・いじめ、又は暴行」を受けたことによる精神障害の労災認定件数も増え続けているとのこと。パワハラは一向に減っていないようだ。

パワハラはどこからどこまで?

職場において発生するハラスメントに対して、先行して法的規制がされているものがある。

・セクハラ

「労働者」の意に反する「性的な言動」に対する労働者の対応により労働条件について不利益を受けたり、「性的な言動」により就業環境が害されること

・マタハラ

妊娠・出産したこと、育児休業等の利用に関する言動により、妊娠・出産した「女性労働者」や育児休業等を申出・取得した「男女労働者」等の就業環境が害されること

上記2つのハラスメントに対しては、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法で相談窓口の設置やその他の雇用管理上必要な措置が義務付けされている。

これらの対策に比べて、パワハラへの対策が遅くなっているように見えるが、それはナゼなのだろうか。それは、パワハラの原因となる行為が、業務遂行上の指揮命令の中で起こることが多く、「セクハラ」「マタハラ」よりも広範囲に及ぶからだと考えられる。

検討会の中では、パワハラの定義は以下のように整理されている。
(1)優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること
(2)業務の適正な範囲を超えて行われること
(3)身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること

「業務の適正な範囲」と定義されているが、「何がパワハラで、何がパワハラでないのか」業務上の指導との線引きが難しいとされ、法規制を行う上での大きなハードルとなっている。
使用者側にとってみれば、業務上の注意・叱責がパワハラと捉えられてしまうと非常にやりにくい、ということだ。

上司の約3割が「叱れない上司」

求人広告会社・アイデムの研究部門「アイデム人と仕事研究所」が実施した調査によると、「叱ることができているか」とパート・アルバイトを使用する指揮命令者に尋ねたアンケートでは、「できている(できている・どちらかと言えばできている)」が70.7%、「できていない(できていない・どちらかと言えばできていない)」が29.3%という結果に。約3割が叱れていないと回答している。

その理由としては、「叱った本人のモチベーションが下がる(かもしれない)から」「嫌われる」「ハラスメントとして受け取られる」など。

回答者の自由意見にも「叱りすぎても辞めてしまう」「業務上致し方なく注意したら、退職に発展した」「注意したら不機嫌になったり、悪者扱いされたりした」と、苦慮している様子がうかがえる。業務上必要であっても、相手の受け取り方によっては「ハラスメント」になってしまう恐れがあると考えると、二の足を踏んでしまうようだ。

叱れる上司

では、働いている側としては、どのように感じているのだろうか。

「上司から叱られたことの有無と納得感」についてパート・アルバイト労働者に聞いたアンケートでは、「叱られたことはない」(55.7%)、「叱られたことがあり、納得できることが多い」(26.3%)、「叱られたことがあり、納得できることは少ない」(18.0%)という結果となった。

実に半分以上のパート・アルバイト労働者が叱られたことがない。と回答している(叱られることをしていないからともいえますが)。注目したいのは、叱られて「納得できる」のか「納得できないのか」だ。

図3は叱られたときの納得度と上司との信頼感についての関連性を示したもの。

上司への信頼感を「持っている」と回答した労働者は「納得できることが多い」と回答する傾向が強く、信頼感を「持っていない」と回答した労働者は「納得できることは少ない」と回答する傾向が強くなっている。

同じ内容で注意をしたとしても、普段からの信頼関係ができていなければ不快に感じるということだ。これは、「パワハラ」でも「セクハラ」でも一緒。相手の受け取り方でその境界線はズレてしまう。だからこそどこからどこまでがハラスメントとなるのかを示す、使用者にも労働者にも平等で一般的な解釈(ガイドライン)が必要というわけでもあるが、現場をマネジメントするものとしては、そうならないための環境づくりが最優先ではないだろうか。

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