『午後の紅茶』をさらに広める大胆策
清涼飲料の紅茶カテゴリーでは、50%近いシェアを誇るキリンビバレッジの『午後の紅茶』。そのメインのターゲットは20~30代の女性だ。だが、さらに若い世代に対しても認知度を上げ、ブランド価値を知ってもらうための新たな試みをこの9月に行なった。
ライブ配信アプリ「SHOWROOM」内で『午後の紅茶』をPRする配信者を募るイベントを開催。その上位入賞者は、企画をコラボする『横浜ウォーカー』にモデルとして登場できるのだ。キリンビバレッジ・首都圏地区本部東京支社支社長の大村卓未さんが話す。
「より若い世代への新しいアプローチとして、『SHOWROOM』という新しいスキームにとても魅力を感じました。同アプリでは、スターになることを夢見る投稿者がいて、ファンになった視聴者はライブで動画を見続け、夢中でその人を応援します。そんな世界の中で、今回のイベントによって、『午後の紅茶』を応援する〝アイドル〟が誕生したわけです」
スターを夢見る〝アイドル〟たちは、さらにファンを増やそうと配信を続けるー。この配信者と視聴者の絆の深さを「SHOWROOM」の担当者が明かす。
「例えば、今回1位となった濵邊さんのファンは1500人と、ほかのSNSと比べれば圧倒的に少ないです。ですが、当アプリの特徴は熱狂的なファンを生み出すところです。お気に入りの配信者がイベントに参加すると知ると、ほぼすべてのファンが視聴し、イベントを勝ち上がる条件となるギフトを贈り応援を続けます」
「会いに行けるアイドル」は今や昔。現代はスマホで〝アイドル〟と会えて話せる時代なのだ。
「特に若い世代に対してのアプローチとして我々が目下、重要視しているのは、ひとりひとりに対しての『動画』による情報発信です。その意味で、今回のような取り組みには新しい可能性を感じます。まだ具体化はしていませんが、今回の入賞者には商品にまつわるイベントに登場してもらうことなども考えています」
かくして同社はスマホ社会が生んだ新しい〝アイドル〟という強い武器を手に入れたのだ。