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2018.10.13

台湾の「下町ロケット」だ!人情、情熱、スピードで世界をリードするモノ作り現場に潜入

~小口覺のスマートフォンハックス番外編~

沖縄の少し先、東京から4時間で行ける観光地として人気の台湾。行ったことのある人も多いと思います。私もここ数年は、年に2回は行くほどハマってます。小籠包、マンゴーかき氷、魯肉飯……といったグルメ目的ですが、最大の産業はスマートフォンをはじめとするIT産業です。ASUS、Acerといったメーカーが有名ですね。もちろん、日本企業と同様、台湾メーカーも人件費の安い中国に生産拠点を移しています。たとえば、中国にあるiPhoneの組み立て工場18のうち16は台湾企業らしいですよ。

スマートロック『SESAME mini』の製造現場へ

日本と同様、産業の空洞化が懸念されている台湾ですが、そのきめ細やかな仕事ぶりや小回りの良さから、スタートアップ企業の製造にはもっとも向いているといいます。今回、スマートロック『SESAME mini』の製造に携わっている工場を見学する機会があり、台湾・台北へ行ってきました。「下町ロケット」じゃないですが、人情と情熱が感じられる工場たちをレポートします。
と、その前に、『SESAME mini』について簡単に説明しておきます。玄関扉に取り付けて、スマホから施錠・解錠できるようにしたIoT製品がスマートロック。『SESAME mini』は、2015年に発売され、北米を中心に5万台を売り上げた『SESAME』を日本の住宅に合わせて小型化したモデルです。この新製品の試作から量産までを、台湾・台北の複数の工場で行っています。

キャンディ・ハウス『SESAME mini』
現在クラウドファンディングの「Makuake」にて、1台9980円で購入可能。目標額の6000%以上を達成している(募集は10月30日まで)。https://www.makuake.com/project/sesame/

20台以上の3Dプリンターが住宅街の地下で稼動

まずやってきたのは、『SESAME mini』の試作を請け負った「RealFun」。台北の中心に近い住宅街にあります。この場所に会社を構えたのは、代表の黃嘯川さんが生まれ育ったことと、クライアントの大企業とやりとりする利便性が高いことが理由だと言います。
試作に用いられるのは、コンピュータの設計データから成形する3Dプリンター。3Dプリンターといっても、いくつかの方式がありますが、「RealFun」では、コンパクトな「FDM」を20数台、より精度の高い「SLA」を5台所有し、依頼の内容によって使い分けているといいます。

たくさんのバイクが歩道に並ぶ台湾らしい風景の中にある「RealFun」。

集合住宅の地下へ通じる階段を下ると、たくさんの3Dプリンターがならんでいる部屋がありました。FDMは、原料の樹脂を溶かしながら積み上げていって造形する方式で、価格が比較的安くもっとも普及しているタイプ。ただ、他の方式に比べると精度が高くなく、熱によって変形しやすいことがデメリットです。

SLAの3Dプリンターは1台1700万円ほど。紫外線(UVレーザー)を当てると硬化する液状樹脂を使用する方式で精度が高いことが特長です。

液体の中から立体物が浮き上がってくる。金属の刃で削り出すCNCの機械よりも安全性が高く、人の作業がほとんど要らないのがメリット。小さい部品なら一気に複数を作ることもできます。

『SESAME mini』の試作品はSLAの3Dプリンターで作成。いくつものアイデアを形にして実効性や耐久性をテストした。

SLAは色や素材に制限があるため、研磨や塗装といった表面処理は成型した後に行う。RealFunでは、こうした処理までを請け負っている。このトラックの模型では、ガラスの透明感、ホイールの金属感、タイヤのゴムの感じが表現されている。この後処理のノウハウがあるため、大企業からの依頼がある理由。

キャンディ・ハウスCEOの古哲明(Jerming Gu)さん(左)と、RealFunの黃嘯川(River Huang)さん。

キャンディ・ハウスがRealFunにパーツの試作を依頼している理由は、そのスピード感だといいます。
「最初は日本の業者に頼んだのですが、価格は3倍で納期は1週間だと言われました。ここは、今日発注すれば明日には仕上がる。ソフトウェアであれば1日に何回もデバックができますが、ハードウェアでは修正に時間がかかるため、よりスピードが大事なのです」(古哲明さん)
また、試作だけでなく、『SESAME mini』がそのままでは鍵の形状に合わない場合、ユーザーに無料で送付するアダプターの作成もこちらで行っています。


物体から3Dデータを作成する3Dスキャナーも備える。中央の台が回転しながら自動でスキャン。この歯形のような図面がないものは3Dスキャンが適している。

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