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2018.10.12

イギリス人が驚いた日本のテレビの自主規制体質

イギリスと日本のテレビの違い

 

どうやら、評価が高いにもかかわらず、十分には行き渡っていないということらしい。

 優れた映画をテレビ局がほうっておかないのは日英とも同じで、たいがいは劇場公開後、少し待てばお茶の間にも届く。これほどの作品がそこから外されている事態はイギリスでは驚きだ。

 というのも、イギリスのテレビにはタブーが見当たらないからだ。番組の前に、暴力的な映像、性的な映像、ショッキングな映像があるなど内容について警告を入れ、かなり過激な映像も流す。

 例えば、全国に番組を配信するキー局の一つチャンネル4では『アナトミー・フォー・ビギナーズ』(2005年放映)という番組で観客を入れての公開人体解剖を、『ザ・セックス・インスペクターズ』(2004年放映)という番組ではセックス・カウンセラーの助けを借りたカップルの寝室にカメラが入り、サーモグラフィーの映像として放映した。

 前者は人体の神秘を探る、後者はカップルの関係改善を目指すという意図がある。映像より意図が問題になるらしいのは、批判があがるケースをみれば、より、はっきりする。

 やはりキー局のITVで2004年に始まり、今も続く人気オーディション番組『ザ・X・ファクター』には、不安定な人を笑いものにする番組という批判が常時ある。

 というのも、歌手デビューを目指しオーディションに集まる中に、毎回、笑いを集める変わった人が出てくるからだ。お世辞にも上手とは言えない歌を披露し、時には自信満々だったりする人たちだ。単に自信過剰、あるいは狙ってやっている面白い人であればどうということもないが、精神の病が疑われるような人が混じっているのが問題だ。

 番組がスカウトしてきたのであれば一発でアウトだろうが、明日のスターを夢見て自分から応募してきた人たちなので、番組も批判をかわしながら今に至っている。

 ちなみに、スーザン・ボイルも、最初はオーディション番組恒例の変わった人の一人と思われた。こちらは、同じくITVで2007年から放映されている『ブリテンズ・ガット・タレント』という歌のほかダンスや手品など広範囲の特技を披露する番組だったが、あのルックスで審査員相手に腰を振って見せたりしたボイルが歌いだしたら本格派、スターになったのはご存知の通り。

 話を戻すと、イギリスでは、番組の意図さえしっかりしていれば、流れる映像は問われないということらしい。

 原監督が日本のテレビについて発言した後、司会者が日本のテレビでは天皇批判がタブーであることを説明した。

 映画中でタブーに触れたのは奥崎が暴力をふるう場面でも、元兵士が語る悲惨で時にグロテスクな話でもなく、奥崎が天皇を批判する箇所ということか。そのために、この秀作が広く届けられないとしたら何とも残念なことだ。

文/山口ゆかり
ロンドン在住フリーランスライター。日本語が読める英在住者のための映画情報サイトを運営。http://eigauk.com

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