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2018.10.12

人気店に通うのは行列に並ぶためだった!?

マウスも人気飲食店の前で“待つ”

 人間の意思決定の傾向には1つのミステリーがある。それは埋没費用誤謬(sunk cost fallacy)だ。

 すでに支払ったり犠牲にしたコストで、もはや戻ってくることのないものを埋没費用という。分かりやすい例で言えばプロスポーツ選手の契約金や、人気の飲食店で列に並んで犠牲にした時間などである。

 人間の意思決定の傾向として、この埋没費用にかなりのこだわりを見せる点がある。多額の契約金で獲得した選手は多少の不調でも使い続けたり、いったん列に並んでしばらく経ってしまうと別の選択肢があっても粘り強く最後まで並んでしまうことなどだ。

 これまでこの埋没費用誤謬は人間にだけ見られる傾向だと考えられてきたのだが、興味深いことにマウスもまた埋没費用誤謬の行動をとることが最近の研究で報告されている。マウスも好きな店の前で“待つ”のである。

Biomedical Odyssey」より

 ミネソタ大学の研究チームがこの7月に「Science」で発表した研究では、マウスに“レストラン”の前で待たせるユニークな実験を行なっている。

 研究チームは迷路の中に4つの“レストラン”を用意した。それぞれのレストランは風味の異なるエサを提供する。実験に使われたマウスは事前にいくつかの音が“待つ”ことを意味することを訓練によって理解している。

 迷路に入れられたマウスは4つの“店”のいずれかを選び、店内に入ると音が鳴り響き待たなければならないことがマウスに知らされた。ここで引き返すこともできれば、店の奥に入って待つこともできる。もちろん店の奥に入ったとしても自由に外に出ることもできる。

 マウスの動きを観察した結果、店の奥で長く待ったマウスほど、ほかの店に行きたがらなくなることが明らかになった。待つことで費やしてしまった時間という埋没費用が大きいほど、行動が切り替えられなくなりしぶとく待ち続けてしまうのである。マウスにも人間と同じく埋没費用誤謬の傾向があったことになるのだ。そして一度“待つ”ことを覚えたマウスは埋没費用誤謬の傾向がより強くなるということだ。

 埋没費用誤謬を繰り返すことでさらに“強化”されてくるのだとすれば、ひょっとすると行列のできるラーメン店のファンは行列に並んで待つからこそ、その店に通い続けているのかもしれない!?

文/仲田しんじ

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