
東京ではモダンできれいな銭湯が増えている
快適な自宅風呂の普及やスーパー銭湯の台頭で、都内の一般公衆浴場(いわゆる「銭湯」)は年々減少の一途をたどっている。それでも、銭湯好きの都民に支えられ、現在でも約550軒が営業している。
銭湯になじみのない人だと、銭湯にあか抜けない、ひなびたイメージを持っているかもしれない。しかし、昔ながらの銭湯も時代に合わせて進化している。内装はモダンにリノベーションされ、タイル床からカランまで清潔感にあふれ、アート性の高い銭湯絵が壁に映える……といった所が増えているのだ。
「銭湯には、親に連れられ子供の頃に入ったきり」という方なら、今の銭湯を見て、隔世の感を覚えるはず。現代の銭湯の魅力を知り、大人になってから銭湯デビューを果たす人も多いという。
銭湯の魅力を伝えるのはフランス生まれの銭湯大使
フランス生まれで、2008年に留学してきたステファニー・コロインさんも、銭湯に魅せられたひとり。方々の銭湯をたずねては、SNSなどで銭湯の情報を発信。草の根の銭湯普及活動が認められて、日本銭湯文化協会の公認銭湯大使に任命されている。また、銭湯ジャーナリストとして『フランス女子の東京銭湯めぐり』(G.B.刊)など著作もある。
本書に中でステファニーさんは、銭湯の魅力は「コミュニティ」、「アート」、「美容と健康」の3つがあると説く。つまり、地域の人たちと交流でき、今風の壁画・タイル絵を鑑賞でき、美肌や冷え改善といった健康効果もある。そんな、日本人があまり意識しない銭湯の効用と都内のおすすめ銭湯を、銭湯のない国から来た人が教えてくれるというユニークな1冊だ。
今回は、著書にも掲載されており、「銭湯デビュー」を考えている人にもおすすめできる、都内の銭湯を5か所紹介したい。