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2018.10.05

できる人、立派な人、いい人に忍び寄るリスク

 社会的にも成功している傑出した人物がスキャンダルなどで失墜するのを見てどう感じるだろうか。そうした話題には興味はないという向きも多いとは思うが、残念ながら心のどこかで鬱憤が晴れる気分を感じたとしてもある意味では仕方のないことであることが最近の研究で報告されている。

“できる人”は懲らしめられる?

 善を勧め悪を懲らしむ“勧善懲悪”は社会的モラルの基本中の基本であると思われるが、興味深いことに我々は悪人だけでなく“できる人”も懲らしめているというから興味深い。

 カナダ・ゲルフ大学の研究チームがこの4月に心理学系学術ジャーナル「Psychological Science」で発表した研究では、実験を通じて競争が激しい組織では人々が傑出した人物を懲らしめる傾向があることを指摘している。

 研究チームは実験参加者たちに公共財ゲーム(public-goods game)と信頼ゲーム(trust game)をプレイしてもらい、選抜競争が激しい状況下で反社会的罰(anti-social punishment)がライバルの協力行為を阻害する手段に使われるのかどうかを探っている。

Bustle」より

 結果はある意味で残念なものになった。各々が選ばれる存在で競争が激しいというゲームの条件下にあっては、ライバルの足を引っ張る行為が多く見られたのである。しかし誤解がないようにしたいのは、激しい競争がない条件下では、人々はより協力的になっている。

 人を助けてくれる善良な人には基本的には感謝と好意しかないのだが、その善良な人物のせいで自分が惨めな存在に感じられ自分の価値が下がったと認識した場合などには、その善良な人物の足を引っ張ったり妨害したりすることも決して珍しいことではないということになる。

「ある種の人々は、職場、会議室、関係先などで自分が格下に見られていると感じた場合、評価の高いライバルの鼻っ柱を折ることを好みます」と研究チームのパット・バークレイ教授は語る。なかなか穏やかではない話だが、社内の出世競争や組織の権力争いなどでは実力や実績よりもこうした“ゲーム”が行なわれることもあるだろう。

 善良で協力的で能力にも優れた“できる人”が何故か嫌われるというケースは狩猟採集時代の人類にも見られたということだ。平等主義が徹底していたと考えられる石器時代の人々の間では、狩りの能力が突出して高い者はグループ内で嫌われていたという。なぜならそのままにしておけばグループ内で権力を握る可能性が高いからだ。

 傑出した成功者がスキャンダルで失墜するのを見て内心で痛快な気分になるのも無理はないという話にもなりそうだ。そして“できる人”の側はこうしたリスクと隣り合わせであることを確認しておきたい。

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