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2018.09.29

女性活躍の裏に潜む、働く女性の朝ごはん事情

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

 紀ノ国屋が日本橋髙島屋S.C.店限定で発売するコッペサンド「SOY TIME」の発表会が開催され、働く女性の朝食をテーマにした講演が行われた。

日本女性の痩せ率は食糧難の国々と同等レベル

「働く女性の朝ごはん事情」と題して講演を行ったのは、予防医療をアメリカで学び、母子健康にまつわる研究、啓発、環境整備を一貫して行っている一般社団法人「ラブテリ」の代表理事で、予防医療コンサルタントの細川モモ氏。

 近年の各国による研究で、生活習慣病は母親の胎内にいるときにプログラミングされる「生活習慣病胎児発症説」が明らかになった。日本はOECD(経済協力開発機構)加盟国において、生涯的に生活習慣病のリスクが高いとされる2500g未満の赤ちゃんの出生率が最悪となっている。OECDの平均6.5人に対し日本は約10人に1人が低出生胎児として生まれる。

 背景として母体の女性がBMI18.5未満の「痩せ=栄養失調」があることが認められている。日本女性の痩せ率は12.3%で、この数値とほぼ同じなのがコンゴ、ケニア、ナミビアといった食糧難の国々。母親となる世代である20代の痩せ率は24%にも上り、4人に1人が「痩せ=栄養失調」であることが判明した。

 妊娠前の女性の栄養失調は、生まれてくる子供、さらに孫の世代まで健康被害をもたらすことが世界各国の研究で明らかになっている。現代の日本女性のエネルギー摂取量は終戦直後を下回るという驚きの現実があるが、肥満に比べて痩せの健康被害は圧倒的に社会に認知されておらず、痩せているのはむしろ健康的、美容的にも優れているという理解がはびこっているのも大きな問題となっている。

 有職女性になると痩せ率は28%に及び、有職率の高まりが日本女性の痩せを助長させている可能性がある。20~30代女性の有職率は現在70%で、政府は2020年には女性管理職を30%まで引き上げることを目標にしている。管理職に就いて失ったものを訊ねたアンケートでは、女性の場合2位に健康、3位は食生活が挙がった。社会的地位が上がると健康と食生活の維持が難しくなることが推測される。

 ラブテリでは2014年から「まるのうち保健室」プロジェクトをスタート。現在は「ラブテリ保健室」として東京だけではなく大阪、名古屋、京都、札幌など各地で実施、働く女性に参加してもらい、通常の健康診断では測れない骨密度、体組成を測り体の内訳を理解し、その数値がどのような病気のリスクを示しているのかを専門家よりマンツーマンで指導を受けるプログラムを実施している(下記画像はラブテリHPより引用)。

「ラブテリ保険室」の調査で明らかになったのは、働く女性は仕事をすることによって運動不足、栄養不足、睡眠不足に陥っているということ。平均睡眠時間は5~6時間と世界最短で、半数以上が1日1時間の理想身体活動に達していない運動不足になっている。さらに、働く女性が痩せになる大きな原因は朝食欠食。疲れているのでギリギリまで寝ていたい、一人暮らしで食環境がよくない、身支度を優先するという理由などから約4割の女性が朝ごはんを食べていないのが現状だ。

 就業時間が長くなるほど朝食欠食率は上昇。残業するほど夕食が遅くなり、胃もたれしていて食欲がわかないため朝を抜くという負のスパイラルに陥っている。遅い時間に肉、油もの、酒など偏った食生活でカロリーを摂取し、エネルギーや血肉に変えていくビタミン、ミネラルがしっかり摂れないため、体脂肪が体内に蓄積される「隠れ肥満」が増えている。

 近年、時計遺伝子の研究が進み、体内時計は1日24時間ではなく民族によって若干の違いがあり、日本人は約24時間10分であることがわかった。1週間で70分のタイムラグが生じることになり、環境と体内リズムのずれ、いわゆる「時差ぼけ」が起こる。体内時計をリセットするのは朝日と朝ごはんであることが最新の研究で明らかになった。体内時計の時差ぼけ予防が、肥満やうつ病、高血圧、糖尿病などさまざまな病気の予防につながっていく。

 朝ごはんを食べる、食べないで一番異なるのは血糖値。血糖値はコンスタントに食べるほど安定する。朝食を欠食することで必要以上に昼、夜の食事で血糖値が上がることに。このような生活パターンを繰り返すことで常時高血糖になり、体脂肪が増える、妊娠糖尿病などの健康被害がもたらされる恐れがある。

 栄養状態を考慮するなら最も重要な存在はたんぱく質。他の食材では摂取しにくいミネラルも多く含んでいる。私たちの体を作っている10万個のたんぱく質は20種類のアミノ酸で、うち9種類は体内で産生できないもの。この9つをパーフェクトに含んでいるのが「アミノ酸スコア100」で、肉、魚、卵、大豆、乳製品に含まれる。中でも大豆は消化に優しいたんぱく質であり、女性ホルモンの働きをする大豆イソフラボンを含んでいる。

 働く女性のたんぱく質不足は9割に達している。女性の活躍を考える上で重要となるのが朝ごはんであるが、体内時計を調整する朝ごはんの条件はたんぱく質を含んでいること。ラブテリの調査で朝ごはんにおかずを摂っている女性は12%しかいないことがわかった。糖質とたんぱく質を同時に摂ることが体内時計を最も効果的にリセットする。朝ごはんを食べる、朝ごはんの内容を見直すことで、健康だけでなく体型も維持し、QOL、生産性にも直結していく。

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