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行けなくなったホテルの予約を売り出し・買い取れるサービス「Cansell」を使ってみた

2018.09.23

ホテルの宿泊権を売り買いできるサービス

2016年にプレビュー(試験)版が公開されて以来、機能やサービス内容を順次拡充して、旅好きに好評のCansell(キャンセル)というウェブサービスがある。

Cansellは、cancelとsellを掛け合わせた造語。このサービスを一言で言えば、旅行・出張に行けなくなったとき、宿泊先の予約をキャンセルする代わりに、宿泊権を他の人に売ることができる、あるいは買い取ることができるというもの。

Cansellのトップページ

うまく活用すれば、例えば、札幌ではトップクラスのビジネスホテル「イビススタイルズ札幌」のデラックスファミリールーム2万8900円が1万9800円になるなど、かなり割安料金で泊まれるようになる。

手間要らずで宿泊権を売れるCansellの仕組み

ここで、Cansellの仕組みを詳しく説明しよう。まず、キャンセルしたい場合から。ホテルを予約していたけれど、旅行中止などの理由でキャンセルしたい人が、Cansellにその旨通知する。基本的には、ホテルからの予約メールを運営会社のCansellに転送すればOK。その際に、「買取」なのか「出品」なのかを選択できる。買取とは、Cansell社が市場価格やチェックイン日までの残り日数などの要素をもとに査定し、同社が査定価格で買い取ること。出品とは、申込者が自由に値付けできるというもの。ただし、こちらの場合、(高額転売防止のため)当初の予約金額より高い値付けはできず、成約時には手数料として出品額の15%が差し引かれる。どちらの方法を選んでも、チェックイン日から5日以内に申込者の口座へ振り込まれる。予約の名義変更などの手続きはCansell社がしてくれるのでラク。

言うまでもなく、Cansellを利用して買取・出品をした人のメリットは、本来キャンセル料として徴収されるはずだった自分のお金がマイナスどころか、プラスになって返ってくること。そして、Cansellを利用してホテルの部屋を確保することのメリットは、通常よりも安く泊まれることにつきるだろう。その申し込みの流れは、Cansellのトップページから、宿泊地域などを入力して検索するか、「おすすめの出品」といったカテゴリーからブラウズし、条件でベストマッチするホテルがあれば、必要事項を入力してカード決済するだけ。その点は、普通のホテル予約サイトとほとんど同じだ。ただ、特徴的な機能に「値引き交渉」がある。これは、出品者に対して、より安い金額を提示し、出品者が承認すると、その金額で予約が確定するというもの。

Cansellでのホテル個別の予約ページ(予約を確定するまで数ページの遷移あり)

Cansellではホテル単体だけでなく、交通機関の利用料金も含んだパッケージツアーも買取・出品が可能となっており、さらに最近になってagodaやBooking.comといった他社OTA(オンライン旅行会社)の料金も表示して比較できるなど、便利な機能がいろいろと実装されてきている。

6要素による数値評価、他社OTAの料金、利用者口コミなど、参考となる情報も充実

Cansellの使い勝手を検証してみる

試みに、数か月に1回は旅行する筆者が、Cansellの使い勝手を確認してみた。ちょうど1か月後に東京へ行くことが決まっていたが、飛行機もホテルはまだ決めていない。行く地域(都内)、日程(10月下旬)、人数(自分1人)は確定なので、Cansellの検索窓にそれらを入力し検索してみると、「お探しの条件では、Cansellにまだ出品されていないようです」とメッセージが出て、代わりにAgodaなどの提携サイトの料金情報がずらずらと出てきた。

ここで、「1か月も先の予約をキャンセルしてキャンセル料が発生するようなホテルは、そうそうないだろうし、そんなに前から旅行中止が決定してしまった人もそうそういないよね」という「常識」に思い至る。

そこで、逆にCansellで売られている都内ホテルの宿泊権を一覧でざっと見て、旅行スケジュールをそれに合わせるというやり方に変更。「おすすめの出品」、「掲載終了間近の出品」、「新着の出品」の各カテゴリーを横スクロールさせて、都内の好条件のホテルを探す。

めぼしいホテルはすぐに見つかった。総合評価4.0の「東京グランドホテル」が9月24~25日の1泊で46%オフの5,000円で出品されている。5泊くらいしたいので、とりあえず24~25日を含むスケジュールで、別のホテルを探す。

「新着の出品」のカテゴリーは好条件のホテルが見つかりやすい

次に、「ファーストキャビン西麻布」というホテルのシングルが、31%オフの8,000円で売りに出されていたので、これもチェック。このようにして4つのホテルで、スケジュールがマッチするものが見つかった。いずれも3~4割の割引率でリーズナブル。どうしても埋まらない1泊は、定宿で泊まればよしということで。

まだ発展途上のウェブサービス

このように利用シミュレーションして実感するのは、Cansellがまだ発展途上のウェブサービスであることだ。認知度の向上はこれからで、現在の登録会員数は1万3000人ほど。この中で、「ホテルをキャンセルしたい」という事態に陥る人の数は知れている。そのため、ホテルを探している側の観点では、ホテルは選り好みできるほど多くはない。地域は、Cansell社が発足当初力を入れていた北海道、関東、関西、沖縄に偏ったままの印象もある(同社は、ゆくゆくは全国、そして海外も視野に入れているという)。連泊も少なく、たいていは1~2泊というのも出張族にはつらい。そして、出品者の特性上、向こう1週間以内という直近の予約権がほとんどだ。もちろん、こうした不満点は、認知度が向上し、出品者の絶対数が増えることによって緩和されてゆくだろう。

現時点でのCansellの活用法は、「急遽出張に行くことになったが、定宿は予約でいっぱい」とか「たまたま来週夫婦ともに有休をとれた。家族でどこかへ行こうか」というような、「いきなり近日旅行に出かけることになった」場合にサイトを見て、掘り出し物がないかを確認するというかたちになりそうだ(まれに、かなり先の日取りの部屋が出品されていることもあるが)。

もちろん、「予想外に仕事が立て込み、有休が土壇場で取り消し」といったアクシデントで旅行がふいになり、「結構な額のキャンセル料を取られるくらいなら、出品したほうがよい」という、出品する側の立場になれば、これはかなり重宝できるサービスなのは間違いない。

そういう機会が割と多い方は、Cansellをブックマークしておく価値は大きいはずである。

文/鈴木拓也(フリーライター兼ボードゲーム制作者)

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