非常時に備える6つのポイント
ここまでいくつか非常食をピックアップしたが、ただ備蓄をすればいいわけではない。食品なので漫然と買い置きすると腐る上に、もし避難生活をするならば備えたものを移動させなければならない。そこで備蓄のための6つのポイントをご紹介しよう。
1.生活で消費した分を買い足す“ローリングストック”
一般家庭であれば、冷蔵庫やその他の場所に数日分の食糧がすでに保管されているはず。生活の中で消費した食べ物を「備蓄」として再び買い足せば、自然と非常時に備えることができる。これがローリングストックという考え方だ。節約の観点から見ると厳禁だが、非常時の備蓄という視点では買い置きが最も自然にできる備えだ。
2.一人暮らしの備えは?
コンビニ利用が多い一人暮らしは、非常時に対応できるほど備蓄ができないかもしれない。その場合はコンビニでカップ麺やレトルト食品、スナック菓子、ビールなど、自分の好みの食品をいつもより多めに買い置きしておこう。
3.生活用水の確保
断水になると生活用水が使えなくなる。入浴ばかりか排泄も満足にできず不衛生になるのだ。そこで常に浴槽に水を張っておけば、ある程度の生活用水を確保できる。最近では地震だけでなく台風やゲリラ豪雨などの災害によってライフラインが断絶する事態も起きている。注意報や警報が発令された段階で風呂に水を張り始める手段もあるだろう。
4.オール電化住宅の備え
オール電化住宅の場合、停電になると照明や冷暖房どころか、お湯さえも沸かせなくなる。カップ麺などの非常食が食べられなくなるのだ。そこでカセットコンロとガスボンベを用意しておこう。オール電化住宅でない場合もガスが途絶えたときに役立つので、備えあれば患いなしだ。
5.定期的に期限をチェックしよう
食べ物は放置すると腐り始める。賞味期限・消費期限の長いレトルト食品や缶詰を買うのも手段の1つだが、3年以上保存できる商品はそれほど多くない。いざというときのため定期的に備蓄したものを点検し、補充や入れ替えをしよう。
6.非常用持ち出し袋
自然災害は家屋も一瞬で破壊してしまう。自宅が倒壊した場合、避難場所へ移動するのだが、その際手ぶらでは苦しい避難生活を強いられる。せっかく備蓄した食品も役に立たない。そこで非常時に避難場所まで持ち歩ける「非常用持ち出し袋」を用意したい。この中に食品、飲料水、衣服、懐中電灯、ライター、携帯ラジオ、貴重品など、個人で必要なものを最小限選別して入れておこう。
自然災害はいつ起きるか分からない。まして最近の日本は各地で甚大な災害に見舞われ、多くの人が被災した事実がある。備えあれば患いなし。今すぐにでも非常時の備えをしっかりしておきたい。
取材・文/いのうえゆきひろ