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2018.09.24

90年代以降、世界的に固定化する経済格差に解決策はあるのか?

 経済協力開発機構(OECD)が発表したデータによれば1990年以降、加盟各国の社会階層はますます固定化してきているという。貧しい家庭の子どもが経済的に成功することがますます難しくなってきているのだ。

1990年代以降、世界的に経済格差が固定化している

 低所得者層の家庭で育った子どもが中所得者層や高所得者層になったり、あるいは逆に高所得者層から下の層へと“転落”したりすることは社会移動(social mobility)と呼ばれている。この社会移動性が高い社会ほど民主的で平等であると考えられ、政治的にも経済的にも健在な社会であるとされている。

 豊かな先進各国は社会移動性が高い社会であるとみなされているが、しかしながら1990年以降、裕福な国々でも社会移動性は低下してきているということだ。高所得者層に移動できた低所得者層の子どもはわずか17%に過ぎないという。

 OECDがこの6月に発表したレポート「A Broken Social Elevator? How to Promote Social Mobility(社会のエレベーターは壊れているのか? 社会移動性を高める方法)」では、貧しい家庭出身の子どもが平均所得に到達するのに要する年数を各国別に示すグラフも含まれているのだが、その平均は150年、あるいは5世代ということだ。

The Guardian」より

 不幸中の幸いというべきなのか、日本は120年、あるは4世代と平均よりは上回っている。デンマークでは60年・2世代と北欧諸国はかなり平均を上回っているが、ワーストのコロンビアは330年・11世代とほとんど社会移動性がない社会だと形容できる。

 低所得者の父親を持つ子どもの3人に1人は自身も低所得者となり、残る2人は社会的に“上昇”するのだがほとんどの場合、1つ上の中所得者層への移動に限られるという。

 上の所得者層への移動は、1955年から1975年の間に生まれた低学歴の両親を持つ人々にとっては現実的なものであったのだが、1976年以降に生まれた人々にとっては現実味が欠けてきていることも深刻な問題として指摘されている。

 所得階層の最下層(下位20%)の人々の60%が調査した過去4年間の間そのままの状態であり、また逆に高所得者(上位20%)の70%がそのままの収入を保っていたという。つまり1990年代以降、世界的にも格差が固定してきているのである。

 この事態にOECDは警鐘を鳴らしており教育と医療、各種行政サービスへの投資を増やすことで、恵まれない環境にいる子どものハンディを取り除き、経済的苦境が子どもの将来に及ぼす影響を軽減させなければならないと提言している。

 格差が固定してくれば経済活動をはじめ社会のあらゆる部分が“停滞”してくるだろう。活気に溢れた社会を維持するために社会移動性、階層流動性の向上が喫緊の課題となっている。

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