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残業時間の限界は本人次第!?会社のエースは1517球を投げられるのか

2018.09.21

会社のエースの力投は何球までOK?

 今回のケースのように「残業はいくらでも出来ます」と本人が言っている場合はどうか?これは、会社の時間外・休日労働協定(いわゆる36協定)によることとなります。以下、簡単に説明します。

 労働時間は法律上、原則として1週間40時間、1日8時間が限度と決められています。野球に例えて言うと“1試合100球まで”と決められているようなものです。ただし、例外が認められています。それが36協定になります。使用者と労働者代表が、事前に36協定を締結し、労働基準監督署長へ届出ることによって1週間40時間、1日8時間を超えて働かせることができるのです。逆に言うと、この36協定が無い限り例外は認められないということです。

 ところが、この36協定は労働基準法の例外でありながらさらに例外があるのです。それは“特別条項”というものです。36協定を締結したとしても残業時間は1か月45時間、1年間360時間が限度時間とされています。しかし、特別な事情がある場合など、一定の要件を満たせばこの例外であるはずの限度時間をさらに超えて残業をさせることができる仕組みとなっているのです。

 つまり、原則は“1試合100球”と決めてはいるものの、例外として試合展開によっては“1試合120球”まで認められるといった感じです。さらに、“他に投手がいない場合”などあらかじめ特別なケースを想定しておけば、120球を超えて“1試合180球まで”と決めておくこともできるのが特別条項付36協定なのです。

 この協定は前述した通り、使用者と労働者代表が締結し、労働基準監督署長に届け出て決定したものです。したがって労働者自身が熱烈に希望して「私は一刻も早く仕事を覚えたいからたくさん残業したい」などと言ったところで36協定を超えて残業をさせてはいけないのです。

 また、36協定の範囲内だとしても、長時間労働にともなう過労による病気等は会社に大きな責任が生じます。「あいつが働きたいって言ったから」などという言い訳は通用しませんのでご注意ください。働く側も、一時のテンションで際限なく働いてしまうと、気づかぬうちに限界を超えてしまうリスクがあります。壊れてしまった後に会社の責任を訴えても“後悔先に立たず”まずは自分自身の選手生命はご自身で守るように心掛けてください。

文/大槻智之(社会保険労務士)

1972年4月東京生まれ。2010年3月明治大学大学院経営学研究科経営学専攻博士前期課程修了経営学修士、修士論文「人的資本から考える労働時間への影響 飲食業A社の労働環境事例から?」。1994年4月入所。社会保険労務士法人・大槻経営労務管理事務所への改組にともない銀座支社長に就任。2011年1月に統括局長就任。2013年12月に株式会社オオツキMを設立、代表取締役に就任。人事交流会・海外進出サポート・各種セミナー、人事スクール事業を提供するオオツキMクラブの運営をスタートさせる。さらに同月に海外進出サポート充実のためOTSUKI M SINGAPORE PTE,LTD.を設立し代表取締役に就任する。2014年1月には社会保険労務士法人 大槻経営労務管理事務所初の海外拠点となるSHAROUSHI OTSUKIOFFICE SINGAPOREを開設し、社会保険労務士としても企業の海外進出サポートをスタートさせた。

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