
先日、カルヴァドス協会日本支部という団体の定例ディナー会に招かれた。
カルヴァドスといえば、リンゴから造られたフランスの蒸留酒。リンゴの酒といえばシードルというのもあって、あっちは発泡性の醸造酒。神楽坂の「ル・ブルターニュ」というガレットの店に行った時に、どちらも良く飲んだのを憶えている。
そんなカルヴァドスを楽しむ会の支部が日本にもあって、定期的に集まっているなんてまったく知らなかった。
定例ディナー会の会場は、代官山のミシュラン星付きフレンチレストラン「パッション」。紳士淑女がたくさん集まっている。会の代表のフィリップ・ソーゼットさんは日本語ペラペラで、会の趣旨を説明してくれた。
カルヴァドス協会の日本支部があった!
それによると、会は1999年から始まり、なんと今年で68回を数えるという。それだけで驚くのはまだ早くて、会員数は600名を超えているという。
リンゴから造られた蒸留酒をすべてカルヴァドスと呼ぶわけではなく、フランスのノルマンディ地方で造られたものだけに限られるというのも初めて知った。
シャンパーニュ地方のブドウで造られた発泡白ワインしかシャンパーニュと呼ぶことを許されず、物理的に同じ発泡白ワインでもすべてヴァンムスーと呼ばれることと変わらない。メキシコのテキーラ村でアガベというサボテンのような植物の根っこから造られたものしかテキーラとしか呼べず、他はメスカルとしか呼べないこととも同じ理屈だ。
「フランスの原産地呼称制度によって指定されている蒸留酒は、コニャック、アルマニャック、そしてカルヴァドスの三つだけです」
つまり、カルヴァドスはコニャックやアルマニャック、あるいはテキーラなどのように特定の地域で採取された原料だけを用いて、決められた製法に従って造られていることを公的に保証されている。消費者に対して、高い品質であることを保証しているわけだ。
ソーゼットさんに紹介されたのは、ゲストのクリスチャン・ドゥロンさん。フランスからやって来た、カルヴァドス製造業者だ。自身の名前を冠したカルヴァドスを造っていて、日本へもたくさん輸出している。
香港でのイベントに参加した後に、日本に来て、デパートや明治屋でのカルヴァドスのキャンペーンを行う。