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2018.09.16

「狩猟採集生活」が身体もたらす意外なメリットとは?

狩猟採集民もパンを焼いていた?

 狩猟採集社会から人類の多くが農耕をはじめたのは今から1万年ほど前だといわれている。しかし最近になって1万4400年も前に、狩猟採集民族がパンを焼いて食べていた形跡が発見されて話題を呼んでいる。

 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンやケンブリッジ大学の研究者らによる国際的な合同研究チームがこの7月に「米国科学アカデミー紀要」に発表した研究では、イスラエル・ヨルダンの発掘現場において、1万4400年前の焼け焦げた無発酵パン(種無しパン)が発掘された。

 パンの原料になっているのが野生種の麦で、作る手間暇を考慮すれば、自分たちの食用というよりも、何らかの供え物や儀式のために作られたのではないかと考えられるということだ。オオムギやヒトツブコムギ、カラスムギなどのこの時代の野生種の麦を摘んできて集め、脱穀をして精製して製粉し、こね上げてから焼くというのは相当な手間のかかる作業であったはずである。

Telegraph」より

「これは農業が導入される前に生産されたものであり、特別な食物と見なされていたことを示唆しています。そしてこの特別な食物をさらに多く作りたいという欲望が、おそらく人類が農業をはじめる動機になっていたのかもしれません」と研究チームのドリアン・フラー教授は語る。

 この黒焦げのパンが発見されたイスラエル・ヨルダン北東部の黒砂漠(Black Desert)にある「Shubayqa1」という発掘現場は、狩猟採集から農耕への移行期にあったナトゥーフ文化(Natufians)圏であったといわれている。

「Shubayqa1」で発見された無発酵パンは、初期のパン製造の証拠であり、植物が栽培される前にパン作りが発明されたことを示している。論文主筆の植物考古学者であるアマリア・アランツ・オタエギ氏によれば、このパンの化石はヨーロッパとトルコのいくつかの新石器時代とローマ時代に発見された無発酵パンと非常によく似ているということだ。

「研究の次のステップは、パンの生産と消費が植物栽培と農業の出現に影響を及ぼしたかどうかを評価することです」(オタエギ氏)

 人類が農業をはじめたのは、実は食べる目的が第一でなかったとすればこれまでの歴史観に新たな光を当てるものになる。最近になっていろんな意味で狩猟採集の人々とその生活に注目が集まっているようだ。

文/仲田しんじ

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