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2018.09.16

「狩猟採集生活」が身体もたらす意外なメリットとは?

 サッカーW杯やアジア大会など今年はビッグなスポーティングイベントが目白押しの1年だが、チームスポーツの起源は狩猟採集時代にさかのぼることが最新の研究で指摘されている。狩猟採集時代の人々はチームプレイを楽しんでいたというのだ。

狩猟採集民がスポーツを楽しんでいた

 サッカーやラグビーなどのチームスポーツは明らかに“模擬戦争”の様相を呈しているだろう。そう考えてみるとけっこう残酷な競技ということにもなるが、当然ながらスポーツはする側も見る側も楽しい一面がある。いつから我々はチームスポーツを楽しむようになったのか。最新の研究ではそれは狩猟採集時代であることが示唆されている。この時代、スポーツは重要な教育であり身体トレーニングでもあったという。

 米・オレゴン大学の研究チームが先日、学術ジャーナル「Human Nature」で発表した研究では、かつての有名な人類学者、ジョージ・ピーター・マードック氏によって編纂された世界各国の1200の文化から集めた100を越える民族誌データ『エスノロジカルアトラス』を資料として活用し、狩猟採集民族にチームスポーツを楽しんでいた痕跡が残されているかを分析している。

 進化人類学者のミッシェル・スカリーゼ・スギヤマ博士が主導する研究チームは、『エスノロジカルアトラス』から北米の47の狩猟採集民の民族誌、南米からは23、東ユーラシアから12、太平洋島しょから11、アフリカからは7の民族の民族誌を選り抜いてそれぞれ分析した。

PsyPost」より

 計100の民族誌のうち、46の民族の男性メンバーの間で広い意味での“チームスポーツ”を行う文化があることが分かった。しかしそれ以外の文化で“チームスポーツ”が楽しまれていなかったとするのは早合点であり、単純に記録に残されていないだけのケースもかなりの確率で考えられるということだ。

“チームスポーツ”で培われるフィジカルのスキルは、そのまま実際の狩りでも使われるものであるという。例えば走ったり、打撃を加えたり、身をかわしたり、取っ組み合いをしたり物を投げたりするといった動きを含む。

 また“模擬戦争”の文化も39%の民族誌から見つかり、子ども同士で行なう“模擬戦争”の習俗も26%から見出された。特に子どもや若年層にとっては“チームスポーツ”や“模擬戦争”は身体能力と運動神経の向上に欠かせないトレーニングとなり、またチームメイトと協力することや団結心を学ぶ重要な教育の場でもあったということだ。

 捕食動物の中には2つの個体で協力して獲物を仕留める種も珍しくないが、“2人プレイ”と“チームプレイ”は進化人類学的には区別されるべきものであるという。“2人プレイ”ではあまり相棒のことを考えなくてもよいのだが、“チームプレイ”では味方や敵の動きをよく把握して行動しなければならない。そしてこの“チームプレイ”を通じて人類は共同体を形成し、社会を築いてきたとも言えるのだ。我々がスポーツを楽しめるのは、遠く狩猟採集時代にさかのぼる進化人類学的な現象であったのだ。

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