
シャープは、家の中の好きなところへ持ち運びが可能な液晶テレビ「AQUOSポータブル」を9月20日に発売し、5年ぶりにポータブルテレビ市場に再参入する。
一時はポータブルテレビ市場から姿を消していたシャープだが、なぜこのタイミングで再参入を決めたのだろうか。また、「2020年までに国内シェア50%を目指す」と目標を掲げたが、市場をリードするパナソニックらを追い越すことは可能なのだろうか。現在のポータブルテレビのトレンドを踏まえながら確認していこう。
拡大しつつあるポータブルテレビ市場
ポータブルテレビ市場はニッチだといわれながらも、2013年以降堅調に拡大し、2017年度には17万台市場にまで成長。今後も右肩上がりの成長が見込まれている。これを受け、シャープは今回5年ぶりに市場に参入することを決めた。
市場にはすでに、パナソニックの「プライベートビエラ」や東芝の「レグザ ポータブルテレビ」などがあり、シャープは実質“後発”となる。それでも再参入を決めたのは、テレビ市場全体が緩やかに落ち込んでいるなかで、右型上がりの成長を続けるポータブルテレビ市場を“勝負の場”と考えたからであろう。
シャープはなぜ5年前に撤退したのか?
シャープが5年前に発売したのは、ワイヤレス液晶テレビ「フリースタイル AQUOS」。しかし、20~60型のサイズはポータブルテレビとしては大型だったことなどが原因で売り上げが思うように伸びず、市場への定着は難航した。
今回はその時の反省を踏まえて、サイズは16型と12型で設計。さらに、製品を買ったら分離型のチューナーをアンテナ端子につなぎ、本体の電源を入れればテレビが見られるというシンプルな初期設定にし、ユーザーの使いやすさを重視した。