トライアスロンに必要な道具と入手法
トライアスロンに必要な最低限の道具にはどんなものがあるのか。
●ウェア
「3種目着替えなしで行えるトライアスロン専用ウェアというものがあります。ただ、各種目用のものを着替えてもOKです。水着の上から重ね着なら簡単です」
●スイム:水着(もしくは専用ウェア)とウェットスーツ、ゴーグル
「水着とウェットスーツが必要です。ウェットスーツはウェアの上から着るものです。肩を回しやすい水泳専用のものが必要です。サイズ合わせが重要なので、ショップで実物を確認するのがおすすめ。レンタルできる大会もあります」
●バイク:通常は10万円台以上のロードバイク
「初心者は絶対にネットで実車を見ずに買ってはいけません。まずは安い手軽なものからなどと言って適当に買ってしまうと、そのほんの数万円分の安さと命を引き換えることになりかねません。バイクは必ず腕のいいスタッフがいる専門店で直接いろいろ教えてもらいながら買いましょう。専門ショップの価格は少々高くても、こうした指導料が含まれていると理解してください」
●ラン:マラソンなどとほぼ同じ。
例.ランニングウェア、ランニングシューズ、サングラスなど
忙しいビジネスパーソンはいつ、どのくらい練習している?
レースに出場するレベルにまでなるためには、それぞれの競技はいつどこで練習すればいいのだろうか。特にビジネスパーソンは時間がない。
●まずは最低レベルをクリアするための練習を
「穴を作らないのがトライアスロン上達への基本です。受験で言えば苦手科目が足をひっぱる国公立大のセンター試験に似ています。まずは各種目の最低レベルをクリアすることを考えましょう。泳げない人はスクールなどで泳ぎ方を教わるなど。競技用自転車は、専用ショップで練習会を開いていることが多いので、まず乗り方から習いましょう」
●週10時間の練習でもトップレベルにいける
「最低レベルをクリアしたら、レースに出られるレベルまで持っていきましょう。必要な練習時間は、完走だけなら、平日1日30分だけでも十分可能だと思います。運動習慣のない方は、まずは、日常生活で歩く速さを上げる、エスカレーターやエレベーターを使わず階段のみ使う、1時間の暇ができたらプールに行く、などの小さな習慣から積み重ねていきましょう。上位の成績を狙う場合であっても、週にスイム2回+バイク1回+ラン1回、週合計で10時間を確保できれば最低限クリアするでしょう。
ビジネスパーソンとしてトップレベルの方は、週15時間超え、最長20時間くらいのケースが多いという印象ですが、週10時間前後で日本や世界のトップレベルの成績を上げる方も複数知っています」
【強豪選手の一般的な練習時間例】
平日3~4日×1~2時間+週末2日×3~8時間
「単純に合計すると9時間~24時間の幅がありますが、実際には最大でも20時間。圧倒的多数がこのパターンに収まります」
※練習時間は八田さんの著書『覚醒せよ、我が身体。トライアスリートのエスノグラフィー』(2017年ハーベスト社刊)より
●一般的な練習場所
・スイム…ジム、公共プール
・バイク…平日は近所・自宅内の固定型練習装置(固定ローラー、三本ローラーなど)、休日は長距離練習が入り、クラブや競技仲間同士の練習会も多い。
・ラン…自宅近所、ジム、職場付近(昼や夕方の皇居ランなど)