
VR(バーチャルリアリティ)事業を行う株式会社メディアクトでは、2018年2月より「くるる360」というVRサービスを提供するサービスを展開し、スマートフォンとYouTube動画を利用した、360°VR動画を提供している。この360°VR動画、実はさまざまな企業がビジネスに利活用しているのだ。その活用事例のうち、採用前に職場をVR体験させる「VR職場見学」について紹介する。
360°VR動画とは?
360°VR動画とは、その名の通り、360度すべての範囲を同時に撮影するカメラを用いて動画を撮影し、その撮影された動画をまるで実際にその場所にいてキョロキョロするかのように閲覧しながら体験することができるバーチャルリアルな動画のことだ。
一見、アトラクション的なイメージがあるが、昨今、ビジネスに活用されているという。
リクルート用の「職場見学」や展示会などでのプロモーションにおける「設備紹介」、専門職の現場体験などの「学校体験」、大型店舗で売り場をWEB上で360度体感できるといった「店舗紹介」などの用途で、実際に活用されているという。
ハイスペックで高画質なVRの場合、制作費用もかさむ上に、再生するにも不可負担がかかり、高額になりがちだ。それを少しでも多くの企業が気軽に利用し、360°VR動画をユーザーが気軽に利用できるよう、メディアクトは本サービスを展開しているという。
リクルート向けのVR職場見学
この360°VR動画の活用事例の中でも、今回はリクルート用に用いられている職場見学について注目してみた。メディアクトのVR事業担当者・遠藤さんは次のように説明する。
「360°VR動画を、VRゴーグルやメガネを使って閲覧します。大きな就職合同説明会の会場や、大学の学内企業セミナーのブースなどで訪れた学生さんたちに体験してもらう想定です。また、DMや入社案内パンフレットにQRコードを張り付け、学生自身のスマートフォンで、見てもらうような仕掛けづくりもしています」
VR職場見学事例
VR職場見学のできる動画とは、具体的にどのようなものなのか。
「動画なのに、よりリアルに会社見学や工場見学ができます。360°VR動画で社員さんが登場し、オフィスや工場、施設を紹介します。
従来からある、会社紹介ビデオでは体験することができない、360°VRならではの臨場感や没入感を感じてもらいながら会社見学をしてもらい、体験することで入社意欲を醸成させるコンテンツです」
そこで、実際にVR職場見学動画をリクルート用に撮影した3つの企業の動画をみてみよう。
いずれも、ゴーグルなしでパソコンやスマホ上から閲覧する際は、動画の左上にある上下左右のコントローラーを操作して閲覧する。実際にYouTube動画を観るとわかるが、社員が社内や業務を説明しているときにコントローラーを操作すると、しゃべっている社員を見つけることができたり、他にもよそ見をして四方八方自由に見回したりすることができる。
就職説明会などの会場ではゴーグルをつけるため、本当に自分がそこにいるかのように、職場環境をバーチャルに体験できるというわけだ。
社会福祉法人 甲有会
「甲有会さんは、差別化のむずかしい介護業界の採用活動の中で、合同説明会のキラーコンテンツとして今年初めて導入されました。毎年参加している合同説明会でしたが、360°VR動画をアピールするためのポスターとリーフレットを作成したところ、明らかに学生へのアピール力が向上、他の会社に比べても学生の集まり方がかなり多く、例年以上に学生に私たちのことを知ってもらうことができたと思うとお話しされています」
株式会社ヤシマ精工