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電気だけで100km以上走るホンダ「クラリティPHEV」の完成度

2018.08.26

商品として魅力的か ★★★☆(★5つが満点)

 しかし、加減速とコーナリングなど“走り”以外の部分では、古さが目立つところがあった。たとえば、メーターパネル内の運転支援デバイスの作動状況を示すインジケーターがとても小さく見にくい。

 昨年、フルモデルチェンジした「シビック」と同じもので「シビック」ではモノクロだったが「クラリティPHEV」ではカラーになっただけ。おまけに、メーターの中央部分に表示する内容を切り替えることができていて、ひとコマ分空いているのにも関わらず、それを活用していない。それも「シビック」から変わっていない。

 それでいて、ガソリン残量計が右側に大きく残されている。プラグ・イン・ハイブリッドだからあまりガソリンを消費することなく、タンクの容量もわずか26Lしかないのに、あまりに無意味に大きな表示が残されているナンセンスが放置されている。昨年のこの連載で指摘した「シビック」のメーターの残念なところがそのまま残されている。

 ドライバーインターフェイスについて真剣に考慮して開発された跡が伺えないのは、とても残念だ。さらに付け加えなら、インテリアの造形や素材遣いなどは、税抜き544万5000円という価格に見合ったものを振舞ってほしかったところだ。

 パワートレインは超先進的で、足回りも上々。でも、ドライバーインターフェイスが古いまま。パワートレインがなければクルマは走らないけれども、走るだけがクルマの価値ではない。パワートレインと足回りだけで開発が終了してしまったかのようにも見える。パワートレインや足回りに掛けたのと同じくらいのリソースと熱意をそれ以外の部分に振り分けてほしかった。そうすれば、とても上質で先進的なセダンを構築することができただろう。

「クラリティPHEV」は、一昨年に日本でも発表された燃料電池車「クラリティFCV」やアメリカで発表済みの電気自動車「クラリティEV」などとボディーを共用し、「クラリティ“3 in 1”コンセプト」を標榜している。カタログや報道資料などには、次のように記されている。

「同じクラリティでありながら、地域のエネルギー事情や個人のライフスタイルにあわせてパワートレインを選択できる。そんな方法で環境ユーザーの裾野を広げることこそ、新しい「クラリティ」シリーズの使命と考えているからにほかなりません」

 異論はないのだが、素っ気ないというか、声が小さいというか、ホンダのビジョンが伺えてこない。ちょっと前までのホンダだったら、良い意味での大見得を切ってファンと世間から喝采を浴びていたはずだ。

 商品性をも含めると「クラリティPHEV」の完成度は高いとは言えないところが、とても惜しいと思う。ホンダの言うとおり、この素晴らしいパワートレインが裾野を広げてくれることを願うばかりだ。

■関連情報
https://www.honda.co.jp/CLARITYPHEV/

文/金子浩久(モータージャーナリスト)

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