
耳活とは?
脳の活性化や認知症予防を目的とした「耳活」はすでにあるが、今、注目すべきは、情報のインプットのために耳を有効に使う耳活である。
例えば、通勤中の電車内。
「LINEやツイッター、インスタなどをしている時、目を酷使している一方で、耳はあまり使っていません。この時間を私は〝耳の可処分時間〟と呼んでいますが、私の場合、1日約5時間あります」
そう話すのは、ニュースからビジネス書、小説など多ジャンルのオーディオブックを提供するオトバンクの上田渉社長だ。
音声では1時間で約2万文字が聴ける。ビジネス書や新書はだいたい8万〜10万字なので、4〜5時間で読了できる。上田社長は「2倍速で聴けば、1日最大2冊は読める」と話す。速読に勝るとも劣らない読書量だ。しかし耳活のメリットは情報量だけではない。
「例えば新規事業の企画を考えながら、それに関連した本を聴いたり、逆にビジネス書を聴きながら企画を考えると、不思議と新しい発想が浮かびます」(上田氏)
音声による〝ながら作業〟が脳に新しい刺激を与えてくれるのだ。耳活は単なる時間活用法ではない。新しい発想手段なのだ。
〈DIMEの読み〉
ワイヤレスイヤホンやAIスピーカーの普及とあいまって、近い将来、耳からのインプットが当たり前となるだろう。今後はコンテンツの質と量の大幅な増強が必要だ。
●本は読むより聴いたほうがラク!?
オトバンクの「audiobook.jp」は話題の新刊も順次アップ。コンテンツ数は現在約2万5000点以上。1冊ずつ購入するほか、月額750円の聴き放題プランも。
日経新聞の朝刊から主要ニュースを20分にまとめて配信する「聴く日経」が人気コンテンツ。車内でLINEやメールを打ちながらでも最新の情報をインプットできる。
取材・文/佐藤恵菜