人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース
2018.08.23

実力主義?育成の放棄?20代を管理職に登用する弊害と問題点

■連載/あるあるビジネス処方箋

 私は、2006年からフリーランスとして仕事をしている。出版社や新聞社、ITの会社などの雑誌や新聞、ウェブサイトの記事などを書くことが多い。この12年間で、90人ほどの編集者と仕事をしてきた。基本的には編集者の考えや意見、指示などにしたがい、文章を時間内で書く。だが、何を言っているのか、理解ができない編集者はいる。その大きな理由は、文章を自らが書いた経験が浅いために、書き手がどのように書くのか、ということがクリアに見えていないからなのだろう。約90人のうち、何を言っているのか、わからない編集者は30~40人になる。

こちらからすると特に苦しみ抜くのが、30代前半までの編集者であり、とりわけ、20代の編集長だ。通常、編集長はほかの業界で言えば、課長級になる。つまり、20代の課長なのだ。一見すると、趙エリ―トに思えるかもしれないが20代の編集長の中には想像を絶するほどにひどい人がいる。今回は、私が見てきた「20代編集長(課長)」の中で非常に苦しんだ6~7人について紹介したい。その企業の人事のあり方やいびつさが見えてくるかもしれない。

「20代編集長」のことを社員数が300人以上の出版社の元役員や現役の役員、管理職(編集長、副編集長など)に話すと、ほぼ全員が「20代で編集長をするのは無理がある」と答える。20代で編集長になるということは、大卒の新卒で入社した場合、キャリアはわずか数年しかないことになる。しかも、通常、編集長になる前に「副編集長」というポジションで、編集長見習いの仕事をするものだ。ところが、この期間もなく、いきなり編集長になっているのだ。このこと自体に深刻な問題があるのだが、社内ではさほど問題視されないようだ。

私の観察では、「20代編集長」が誕生するのは社員数で言えば、100人以下の出版社がほとんどである。人事部はなく、新卒採用を毎年する力もなく、3~5年に1度くらいのペースで思いついたかのようにしている。しかし、新卒で入った社員の定着率は低く、数年以内に辞めていくことが多い。30代の社員が40~50代に比べると、少ない。40~50代は多い。社員の世代間のバランスが極端に悪い。職場の雰囲気はよどんだ印象を受ける。人事制度や賃金制度は、30~40年前のままのような感じがする。もちろん、労働組合はない。

「20代編集長」の周辺の社員たちから聞く限りでは、社長の判断で20代でありながら昇格し、課長級の「編集長」になったようだ。本人は辞退するどころか、本当に認められたと思い、40~50代のベテランの編集長のようにふるまう。20代~30代前半までの部下に仕事の指示・命令をしているようだ。部下である編集者たちに聞くと、「20代編集長」の指示・命令の意味がわからないのだという。指示・命令はころころと変わり、部下が質問をすると、興奮したり、ねじ伏せたりするようだ。大きな声で脅すような物言いにもなるという。

実は、私もこれに近い経験がある。「20代編集長」の指示がめちゃくちゃであるので、その意図を聞くと激高する人もいた。脅迫するかの物言いになる人もいた。興奮して、自分でも何を言っているのか、わからないようだった。私も理解できなかった。私はフリーランスであるので、「こういうヤバい編集者とは縁を切ろう」と思い、その仕事だけをして、代価のお金を受け取ればそれでいい。しかし、会社員はそんな簡単ではない。私が見ていると、「20代編集長」のパワハラで苦しむ編集者がいることは事実なのだ。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2019年1月16日(水) 発売

DIME最新号の特集は「あなたの願いをかなえる神ガジェット100!」「ニトリVS無印良品のコスパNo.1商品対決」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ