
BMWのコンパクトSUV「X2」は、「X1」と「X3」の間を埋めるモデルとして登場した。しかし「X2」のポジショニングはこれまでの「Xシリーズ」とは異なっている。
「X3」よりもボディの大きさやエンジンバリエーションは格下だが、ボディサイズに関しては「X1」よりも全長、全高ともに小さい。これまでの「Xシリーズ」よりも、SUV的ではなく、ワゴンやクーペに近いパーソナルなモデルとして開発されたのだ。BMWの新しい方向性を先行していると言ってよい。それはフロントグリルの新しいデザインやCピラーのBMWエムブレムに表れている。
試乗したのは「Xドライブ20i MスポーツX」という最上級モデル。車名でわかるように、Xドライブ=フルタイム4WDのことを指し、エンジンは2.0L。Mスポーツのサスペンションと、8速ATもスポーツATに代えられている。
同時に試乗したアルファ ロメオ「ステルヴィオ」の2.0Lターボと比較すると、パワーは88ps、トルクは120Nmも低いが、車両重量が190kg軽いというのが「X2」の有利なところでもある。これが、走行性能などにどのようなメリットをもたらすかだ。
セダンにくらべてやや高めの着座位置のドライバーズシート。インテリアはXモデルのオフロードキャラクターが強調されたデザインで、フローズングレーのアクセントが個性を感じさせる。ドライビングモードはエコプロ/コンフォート/スポーツの3モードを、コンソール上のダイヤルで選択できる。サスペンションやエンジンマネージメントが制御される。Dレンジ、コンフォートモードでスタートしてみる。「MスポーツX」は、堅めのスプリングとダンパーが装着されている。