人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース
2018.08.18

現時点の完成度は?ロームが開発中の国産ハイエンドDAC「MUS-IC」試聴レビュー

■連載/ゴン川野のPC Audio Lab

Introduction

デジタル時代のオーディオシステムにおいて、音に関する支配力を強めているのがD/Aコンバーターである。ここでは音質より情報量が決まってくるので、音像定位や音場感が変わってくる。デジタル音源の上流に位置する機器で、アナログシステムで言えばレコードプレーヤーのような存在である。いくら高性能なアンプやスピーカーがあってもない袖は振れぬ、存在しない音は再生できない。

D/Aコンバーターの中に入っているのがDAC(Digital Analog Converter)である。機器そのものをDACと呼ぶ場合もあり、DACの構成回路が入っているICをDACチップと呼ぶこともある。私は両方ともDACと書くことにしている。実はこの部品の方のDACを生産しているメーカーは世界にほんのわずかしか存在しない。CDが登場した頃は、フィリップス、バーブラウン、ウォルフソンなどいろいろなメーカーが存在したが、買収、吸収などがあり、現在ではTI、ESS Technology、シーラスロジックなどの数社に集約され、日本の旭化成エレクトロニクス(AKM)が製品化したオーディオ専用DACが近年、高く評価されている。

そして、日本のICメーカーであるロームもまた、オーディオ用DACを開発中であることを明言していた。それが今回、『ROHM Musical Device MUS-IC』というブランド名でDACの製品化を発表、2019年夏に最初の製品サンプルを出荷する予定であることを明らかにした。製品名は『BD34301EKV』で当日は音質評価用ボードによる試聴もおこなわれた。

同社の高音質オーディオ用電源が使われたバランス出力対応のDACボード。

Report

ロームはオーディオICの製品開発に50年のノウハウがあり、ICやLSIの原料になるシリコンインゴットから内製しているメーカーである。その全ての生産行程において高音質化がおこなえるのだ。同社では独自の音質設計をおこなうために、28のパラメータを決めてこれを変更することでDACの高音質を追求しているのだ。

それではロームの目指す高音質とは具体的にどんな音なのだろうか。それは豊かな音楽性であるという。構成要素として、密度の高い空間表現、伸びやかなボーカル、豊かな低音の3つが上げられていた。空間表現=音場感を追求すれば、高解像度が求められ、ハイスピードで、輪郭のクッキリとした音になる。豊かな低音はこれに相反する要素になるのではと質問したところ、やみくもに高解像度を追求すると確かに低音はやせてしまうので、その兼ね合いが大切とのこと。DACに豊かな低音を求めたのはロームが初めてであり興味深い取り組みである。

ロームは公益財団法人「ローム ミュージック ファンデーション」を通じて、主にクラシック音楽文化の普及と発展に貢献している。つまり、目指すのはクラシックがいい音で再生されるDACに違いない。アコースティックな楽器の音色、正確な音程、ホールの音場感、ダイナミックレンジ、S/N感など多数の難しい要素があるクラシック音楽再生をターゲットにしたのが『BD34301EKV』と考えていいだろう。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2018年11月16日(金) 発売

DIME最新号の特別付録は「ゴルゴ13」のオリジナル万年筆!大特集は「2018年ベストヒットランキング」

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ