クラリティPHEVのボディサイズは全長4915×全幅1875×全高1480mm。ホイールベース2750mm。水冷方式を採用したリチウムイオンバッテリーを含むIPU(インテリジェントパワーユニット)は床下に敷きつめられ、室内、トランクスペースにほぼ影響しないレイアウト。アコードPHEVはトランク内にバッテリーを積んでいたため、容量やアレンジ性が犠牲になったものの、クラリティPHEVはゆとりある室内空間、広大なトランクスペース、トランクスルー、後席フォールダウン機能を実現している。
しかし、いかに「ねばるEV」であっても、充電は不可欠。クラリティPHEVのボディを一周すると、3か所のリッドが存在する。そう、ガソリン給油用(左後)および、CHAdeMO対応の急速充電用(右後)、200V用の普通充電用(左前/OPで100V用の電源プラグに付け替えOK)の充電ポートである。充電時間は急速充電で約30分(満充電の80%)、普通充電で約6時間(満充電)となり、また、アウトドアや災害時に役立つ最大供給電力3k Wの外部給電も可能だ。
ちなみに今夏の猛暑の中、急速充電中に車内にいても心配なし。コンフォートチャージ機能により、パワーモードをONにすることで急速充電中でも高電圧バッテリーの電力によってエアコン、オーディオなどを(残充電時間表示あり)使用することができるのだ。
さて、ここではモノグレード、588万600円という価格(ナビゲーション込み)のクラリティPHEVのパッケージングについて解説したい。Dセグメントという車格だけに、後席に大切な人を乗せる機会が多いと思われるが、ルーフ後端の空力性能への配慮、床下にびっしり置かれたバッテリーなどのおかげで後席頭上方向にゆとりを持たせるためにシートクッションを薄くし、ギリギリ低くセットするしかない。
イラストを見て分かるように、前席は乗員の太股裏がしっかり座面に密着しているのに対して、後席はフロアから座面までの高さ(ヒール段差)が取りにくく(実測で約31cm/一般的には32~33cm。)、やや膝を抱え、お尻で体重を支えがちな着座姿勢になりがちなのが惜しい。しかしそれは、PHEVとして、トランクスペースの実用性と後席の実用性のせめぎ合いを見事にバランスさせた着地点と言えるかもしれない。
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