
株式よりも利回りや安定性が高くて、10万円ほどの小額から気軽に不動産投資ができるREIT(不動産投資信託)。不労所得を得るための第一歩として投資してみてはいかがだろうか。とはいえ、どのような仕組みで分配金が得られて、どんな種類があるのかを知らなければ、投資をする気になれないだろう。
不動産証券化協会の調査によれば、2018年6月現在での予想分配金利回りは平均4.04%。東証一部上場株式の配当利回りは約1.70%なので、確かに利回りは高いといえる。しかし利回りの高さだけに目を奪われ、すぐに投資してはいけない。REITにはどのような特徴があるか重要な3つのポイントを理解してからでも遅くはない。ビジネスパーソンとしてREITの基本を知っておくことも大切だ。
株式と同じように売買でき分配金がもらえるREITの3つのポイント
まずREITは、不動産投資信託を表す英文「Real Estate Investment Trust」の頭文字を取ったものである。その中でも日本国内の法令に従い、証券取引所で取引されているREITは、JAPANのJをつけてJ-REITと呼ばれている。ここでは、J-REITを対象にして3つのポイントを順に解説していこう。
ポイント1.J-REITは不動産の専門家に運用を託し賃料収入などの運用益を分配する金融商品である
ポイント2.J-REITが投資する不動産の種類は6種類あり、10万円ほどあれば投資できる
ポイント3.他の金融商品と同じように元本保証は無く、リスクもある
ポイント1:J-REITは不動産の専門家に運用を託し賃料収入などの運用益を分配する金融商品である
そもそもJ-REITがどのようにして分配金を得られるのか仕組みを以下の図に整理した。この仕組みはぜひ頭にいれておきたい。
■J-REITの仕組み
(出所)筆者作成
不動産投資法人という不動産を所有・管理する法人が、投資家から集めたお金を使って不動産を所有し、そこから得られる賃料や売買益を分配するのが基本の仕組み。実際の運用や管理は、運用のプロである資産運用会社に委託している。投資家は不動産投資法人が発行する投資証券を、証券取引所を通じて購入することで、分配金がもらえる権利を得る仕組みである。その投資法人が所有する資産価値が変動すれば、投資証券の価格(投資口価格)が変動する。また投資法人の収益のうち90%超を分配すると法人税が実質免除になるため、投資家に対して高い分配率を実現できる。