”あと一歩”の不満を解消、費用対効果抜群の1台に
AQUOS senseでは足りていなかった“あと一歩”にしっかり対応しているのも、この端末のポイントだ。代表例を挙げると、この機種はAQUOS senseで省かれた、5GHz帯のWi-Fiに対応している。2.4GHz帯でも通信できることはできるが、マンションのように、アクセスポイントが乱立しているところで使うと、どうしても速度が落ちてしまいがち。5GHz帯に対応したAQUOS sense plusであれば、そうした懸念が減る。
同じ通信機能では、キャリアアグリゲーションやVoLTEに対応しているのも見逃せない。特に前者のキャリアアグリゲーションは、AQUOS senseが対応していなかった機能。通信速度が下り最大350Mbpsまで向上しており、快適さが増している。au VoLTEにも対応しているため、au系MVNOでもきちんと使えるのがうれしい。対応バンドも国内キャリア用に最適化されているため、安心して使うことができる。
また、前述したように、底面の端子はUSB Type-Cになっている。そのため、コネクターの上下を気にすることなく挿せて、使い勝手がいい。この価格帯のスマホだと、Type-BのmicroUSBを採用している端末もまだまだ多く、AQUOS sense plusがきちんとType-Cに対応してきた点は評価できる。
底面の端子はUSB Type-Cで、上下気にせずにコネクターを挿せる
AQUOS senseの不満点を見事に解消してきたAQUOS sense plusだが、チップセットやディスプレイの性能が上がっているぶん、価格もやや高くなっている。家電量販店では4万円前後で販売されている。ただし、MVNO経由で購入すると、3万円台前半ぐらいからとより安価になる。たとえば、楽天モバイルでは3万2800円、IIJmioでは3万6800円と、手の届きやすい価格が設定されている。
これだけのスペックを備えながら、SIMフリースマホのボリュームゾーンである3万円台に収まっているのだ。AQUOS sense plusは、使い勝手とコストのバランスが高い次元で取られた1台といえるだろう。SIMフリースマホ初心者から、ある程度スマホ慣れした上級者まで、幅広い人にオススメできそうだ。
【石野's ジャッジメント】
質感 ★★★★
ディスプレイ性能 ★★★★
撮影性能 ★★★★
音楽性能 ★★★★
UI ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★
バッテリーもち ★★★★★
持ちやすさ ★★★★★
*採点は各項目5点満点で判定
取材・文/石野純也
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。
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