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2018.07.26

女性の管理職を増やすことに慎重になるべき理由

■連載/あるあるビジネス処方箋

 前回まで、3回連続でサトーホールディングス(株)の女性管理職の育成を取り上げた。それ以前には、アサヒビール(株)の女性管理職候補の女性へのインタビュー記事を2回連続で紹介した。人事コンサルタントであり、明治大学大学院グローバル・ビジネス研究科客員教授の林明文さんにも女性の管理職・役員を増やす議論について話を伺った。女性の人事コンサルタントの佐藤 文さんにも、取材を試みた。なお、これらの記事に共通する私の認識は、女性の管理職を大企業において数年以内に急激に増やしていくことへの強い疑問である。今回は私がなぜ、女性の管理職を増やすことに慎重であるのかを述べたい。

報道の裏側が見える

 私は、報道の仕事の30年近く関わってきた。今では、記事の裏側が透けて見えることが多い。例えば、女性の管理職を増やすことを実態を正しく理解することなく、必要以上に肯定的にとらえた記事があるとする。それを書いた記者や上司であるデスク(編集長など)の人事や労務の知識や情報がある程度、わかる。私には、「とりあえず、締め切りに間に合わせよう」「女性に受けのいいことを書いておいて、ヒットさせよう」「進歩的なことを書いておけば、インテリに思われる」ぐらいの魂胆が、透けて見える。私は、このような姿勢は報道人としては好ましくないと考えている。

 出版や新聞業界、ITのニュースサイトに携わる人で人事に精通している書き手やデスクは相当に少ない。実際のところ、人事や労務の専門雑誌や新聞で大きな記事や連載を書くことを認められている書き手は業界で数人しかいない。公的な機関から、人事をテーマにした講演の依頼や審議会の委員などになる書き手も、ほんの数人だ。

 つまり、ほとんどの人事や労務に関する記事は、記者たちが多数書くテーマのうちの1つである可能性が相当に高い。人事の専門家とは言い難いのだ。その象徴が、女性の管理職を増やすことを肯定的にとらえる記事なのだと私は思っている。

公平さ、客観性、わかりやすさこそが大切

 女性の管理職を増やす以前に、まずはこの20数年(特に1990年代後半以降)の役員や管理職のあり方がどのように変わってきたのか。そして今後、どのようになろうとしているのか。記事を書く前に、このあたりの認識を深めるべきである。日本の大企業や中堅企業の多くは総額人件費を圧縮し、役員や管理職の数を大幅に減らしてきた。それは、株式市場の要請でもあった。2018年の今もまだ、依然として管理職の数が多い会社はある。今後、管理職のセレクトは厳格になる。セレクトの基準には公平さ、客観性、わかりやすさなどが強く求められる。

 今、なにゆえに女性の管理職の比率を30、40%にしようとするだろうか。しかも、わずか数年で。これは公平さ、客観性、わかりやすさを求めてきた20数年の歴史に反する動きだ。管理職は性別で選ぶのではなく、実績や成果、潜在的な能力、伸びしろなどをもとに相対的に選定するべきである。今後、多くの外国人労働者が日本の企業で勤務することになる。ますます、公平さ、客観性、わかりやすさが問われる。今のようにあまりにも性別を強調すると、外国人などへの差別にもなりかねない可能性すらある。

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