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2018.07.19

日本代表は172cm65kgのMVPモドリッチのプレースタイルに学ぶべし!

■連載/元川悦子「ロシア戦記」

 約1カ月の長きに渡って激闘が繰り広げられた2018年ロシアワールドカップはフランスの20年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。自国開催だった98年大会以来の世界王者に返り咲いたことで、フランス国内は熱狂と興奮の渦に包まれている。16日にシャンゼリゼ通りで行われたパレードには30万人が繰り出したというから、選手たちも感慨ひとしおだったに違いない。

フランスとクロアチアに学ぶべきこと

 20年前にキャプテンとしてワールドカップトロフィーを掲げたディディエ・デシャン監督が築き上げたチームは平均年齢26.4歳の若い集団だった。19歳でファイナルの舞台に立ったキリアン・ムバッペ(PSG)、22歳になったばかりのバンジャマン・パバール(シュツットガルト)とリュカ・フェルナンデス(アトレチコ・マドリード)の両サイドバックを筆頭にフレッシュな面々が躍動した。

 決勝でポルトガルに苦杯を喫した2年前の2016年欧州選手権(フランス)の時は、ディミトリ・パイエ(マルセイユ)やパトリス・エヴラ(ウエストハム)といった30代選手が軸を担っていたが、指揮官はこの2年間で大胆な若返りを断行。彼らがハードワークと組織力を重んじるように仕向けていった。アントワーヌ・グリーズマン(アトレチコ)が「僕らの強みは忠実さだ」と強調したが、それだけ規律ある集団になれたのも、デシャン監督との強固な信頼関係があったから。そこは新たな日本代表も見習いたいところだ。

 新生ジャパンは東京五輪(現U-21)代表を率いている森保一監督が兼任指揮官として采配を振るう形が確実視されている。今月中にも正式発表され、9月7日のチリ戦(札幌)が初陣になる。年内の6つの親善試合を経て、2019年1月のアジアカップ(UAE)に挑むことになるが、長谷部誠(フランクフルト)や本田圭佑(パチューカ)ら30代のベテランが揃って退いた今、若返りは急務の課題だ。

 当面はロシアで主力としてチームをけん引した吉田麻也(サウサンプトン)や大迫勇也(ブレーメン)ら20代後半の面々でしのいでいくしかないが、フランスのように20歳前後の若手を次々と抜擢しなければ、世界から取り残されてしまいかねない。

 97年生まれ以降の東京五輪世代をつぶさに見ている森保監督であれば、若手の誰が急成長しそうか、人間力を備えているのかがよく分かっているだろう。実際、本田ら北京五輪世代を見ても、ユース時代から才能を高く評価されていた平山相太(元仙台)や家長昭博(川崎)らが日本代表に定着できず、本田や長友佑都(ガラタサライ)、岡崎慎司(レスター)といった雑草たちが這い上がった。「僕らは若い頃から叩かれ、批判されてきた分、メンタル的に強い」と長友も自信を見せていたが、小手先の技術だけでは高いレベルへと突き抜けていくのは不可能だ。

 競争の少ないゆとり教育の中で育った20歳前後の若手には強靭なメンタリティを持つ選手が少ないだけに、より人間性にフォーカスしていく必要がある。サンフレッチェ広島時代に雑草魂に秀でた浅野拓磨(シュツットガルト)を大きく伸ばした実績のある森保監督ならその大仕事ができるはず。そう信じたいところだ。

 メンタル的な部分の重要性は、史上初のファイナル進出を果たした2位・クロアチアも強く示した点である。今回の彼らは32歳のルカ・モドリッチ(レアル・マドリード)やマリオ・マンジュキッチ(ユベントス)、30歳のイバン・ラキティッチ(バルセロナ)らベテラン主体の構成だったが、決勝トーナメントで3度の延長戦を戦い抜き、ファイナルまで勝ち上がった。その鬼気迫る闘争心を現地で目の当たりにして、本当に頭の下がる思いにさせられた。

 とりわけ、幼少期にクロアチア紛争に巻き込まれ、難民生活を強いられながらテクニックを磨き、同国の名門クラブであるハイドゥク・スプリトから「体格が華奢すぎる」と失格の烙印を押されながら、世界トップまで這い上がったモドリッチから学ぶべき部分は少なくない。日本人は体格的なハンディキャップを言い訳にしがちだ。ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督が指揮していた時も「あんなにフィジカルとデュエルを前面に押し出すサッカーは日本人にはムリ」と話していた代表選手も皆無ではなかった。

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