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女性の役員や管理職を増やしたい大企業の取り組み

2018.07.10

吉田:1か月間付き添うことをされて、いかがでしたか?課長である斎原さんは、どこに「部長の壁」のようなものをお感じらになられましたか?

齋原:部長会議では参加者が全員、部長です。皆さんは日ごろからつながりがあるようですから、深い話し合いになっていきます。私は、その中になかなか入っていけないものがありました。

吉田:議論の内容を理解することはできましたか?

齋原:9割くらいはわかったような気がします。ただ、あの場で私が意見を言うことを求められると難しかったのかもしれません。部長の皆さんはそれぞれの部門の専門であり、相当な知識をお持ちの方たちです。今の私はそこまでの知識をまだ獲得していませんから、気後れするものはありました。

福澤:そのような時は、会議を終えた後、私のほうから「あの部分の話は理解できたの?」などと尋ねることがありました。

吉田:斎原さんは、福澤部長のシャドウになっていて、他にはどのあたりに「壁」を感じましたか?

齋原:部長は、課長よりははるかに広い範囲で多くの人と関わっていることがわかりました。私の経験をもとに言えば、課長は目の前のグループのことを考えます。おのずと、関わる人などが限られてきます。

部長はグループのことをはじめ、ほかの部署や役員や、さらにサトーグループ全体、そしてもちろんお客様など、様ざまなところにまで注意を払い、調整をしていきます。会う方も多いですから、スケジュールは忙しくなります。それぞれの話し合いでは、何らかの意思決定を次々とすることも必要です。

今の私ではここまでのことはできないと思いました。今後、経験を積み、トレーニングを重ねることで、部長職を務めることがなんとかできるようになるかもしれないと感じることもありました。

吉田:立派に「シャドウ」を務められたのですね。私が取材で見聞きする限りでは、日本企業の多くは昇格の基準があいまいで、管理職の人件費の管理もどんぶり勘定になっている傾向があります。杜撰な昇格管理のまま、なぜか、「女性の管理職を増やそう」という流れになっています。そのような悪しき流れに問題提起をするためにも、「シャドウイング」のような試みが企業社会全体に浸透することを期待しています。次回は、斎原課長の「課長としての苦しみ」などをテーマにお聞きします。

(次回に続く)

2回目の取材を終えて

 私が20代の頃(1990年代)から、管理職になった直後の社員を取材すると、
「(社内や社外の様子が)違って見える」と答えることが多い。私なりの解釈では、一般職であった頃と管理職になった後では、視点が違うことを意味しているのだろう、と思う。

「視点」を変える試みは、実ははるか前から行われてきた。たとえば、人事異動や配置転換などがその象徴だ。ところが、管理職になる直前の段階ではあまり行われていない。管理職予備軍を集め、外部から講師を招いたりして知識の獲得をさせる場合はあるが、「視点」を変える訓練はほとんどしない。例えば、「1日部長」と称して、1日だけ、部長と行動を共にすることでもいい。課長や部長が参加する会議に数回ほど、出席させることでもいいだろう。

「視点」を変えることで、意識のあり方や考え方も変わるかもしれない。それが、周囲の社員にも影響を与えるかもしれない。労働生産性を上げるためにも、「シャドウイング」のような試みは広がっていくべきではないだろうか。

文/吉田典史

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