
節約したい人が携帯料金を見直すようになって早や数年、今や「格安スマホ」「格安SIM」という選択肢が一般的になりつつある。この流れに追随するかのように、MVNOと呼ばれる携帯電話サービス会社が数多く誕生した。今後も節約志向の需要と供給がどんどん拡大するはずだ。
一方で、御三家ともいうべき大手キャリアも負けていない。顧客の引き留めや新規拡大を図るべく、様々な宣伝を打ち出している。たとえばこんな広告を見たことがないだろうか?
Softbankの公式サイトより(2018年6月22日現在)
携帯電話の高級店ともいうべき御三家の料金プランに、魅力的な数字が並んでいる。この広告を見て「あれ? 実は大手キャリアも意外と安いのでは?」と感じた人もいるだろう。
いつしか筆者も「一度は裏切って格安スマホに浮気したけど、本当にこの値段ならキャリアに戻ってもいいかな」なんて考え始めていた(都合の良い男だ)。しかし一人で決断するのは不安(キモの小さい男だ)。
そこで筆者の知人であり、本誌や雑誌DIMEでも活躍する携帯電話業界の専門ライター・房野麻子さんに取材した。
「実は各キャリアの決算の資料などから、キャリアから流出するユーザーの数が減った、ということがわかります。その要因の1つに、MVNOに対抗した安い料金プランが挙げられるそうです。本当に安いか真偽を確かめるべく私も分析をしようか考えていた時期なので、いのうえさんに調査を依頼したいのですが、お願いできますか?」
つまり「大手キャリア3社のカタログを収集して、それぞれの料金形態を調査し、その実態を解き明かせ」というのだ。「調査を依頼」というかっこいい響きに頭がホワホワした筆者は「喜んで!」と返事し、いそいそと最寄りの携帯ショップへ足を運んだ。