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女性の管理職を増やすための大企業の試み「傾聴会」

2018.07.06

その後、我々、男性の管理職(この場合は部門長)15人も「時短トライアル」をそれぞれ1~2週間ほど経験しました。仕事の量はこれまで通りにして、通常の8時間勤務を2時間減らした6時間勤務で、もちろん残業をすることもなく帰るようにしたのです。さらに帰宅後は意識して育児・介護など家事の時間にあてるようにしました。

「時短トライアル」を行い、家事・育児をする福澤氏

これは、想像以上に大変でした。15人のうち、特に5人ほどがたとえば、このようなことを話していました。

「(自分が家族の)介護などをするようになったら、時短勤務をせざるを得ないかもしれない。そうすると管理職として、今の仕事の量をこなすことはできない」。そして、「確かに、今の管理職のあり方のままでは(育児や介護などを始めとした家事をする)メンバーが管理職になるのは難しいのかもしれない」と話す者もいました。

吉田:男性の管理職が、そのような試みをする会社は少ないですね。女性に限りませんが、スタッフ・リーダーなど非管理職は管理職の役割や権限、責任などを把握していない場合が多いように思います。


福澤:「傾聴会」を通じて、女性の社員が管理職のことをあまり理解していない面もあったように感じました。管理職になる前の時期のことですから、ある意味で当然のことではあると思います。そのようなこともあり、(前述の)当社では「シャドウイング」を始めるようにしたのです。


吉田:なるほど。「シャドウイング」をする前に、グループとしてのダイバーシティの考えがあり、その1つとして女性の管理職の育成を掲げる。そして、まずは、管理職とそうでない女性スタッフが真摯に話し合う。今、「働き方改革」のブームになっていますが、こういう堅実で、着実で、確実な試みは少ないですね。

(次回に続く)

1回目の取材を終えて

 サトーテクノロジーはまず、「傾聴会」などを通じて女性社員と男性の管理職の意識の「段差」を双方が感じ取るところから始めた。そのうえで、男性の管理職が「時短」勤務に挑戦し、管理職のあり方も考えなおす必要があることに気がついた。いわば、小さなコンセンサスを積み重ねて、前に進めようとしている。本来、こういう視点が「人事マネジメント」と呼ぶにふさわしいのではないだろうか。

 サトーグループの女性の管理職の数は年を追うごとに増えてはいるが、そのスピードは一部の会社と比べると、「速い」とは言えないのかもしれない。だが、管理職という重責を担うポジションに就く社員をたった数年で次々に増やしていく会社のほうにこそ、「人事マネジメント」の点で大きな問題があると私は思う。

 次回は、「シャドウイング」について同社の女性課長などにお話をうかがう。

文/吉田典史

■連載/あるあるビジネス処方箋

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