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3度目のロシアでMVP級の活躍を見せる”おっさん世代”長友佑都が史上初の8強へと導く

2018.07.01

今大会のMVP級の活躍を見せる“おっさん”

「とにかく『おっさん、おっさん』と言われていたので、若い選手より走ろうと思っていた。もちろん走るだけが全てではないけど、自分が最初に走って戦わないと話にならない。それを示したいと思って大会に入ったし、気持ちは入っていましたね」と本人も語気を強めたが、その献身的走りがあったから、コロンビアのファン・クアドラード(ユベントス)を途中交代に追いやり、セネガルの20歳の新星、イスマイラ・サーレ(スタッド・レンヌ)を必死に止め、ポーランドの曲者、ラファウ・クルザワ(グルニク・サブジェ)の決定的仕事を抑えることができたのだ。長友が左サイドを力強く支えていなければ、日本守備陣はもっと失点を重ねていた可能性も少なからずある。
 さらに言えば、セネガル戦の乾貴士(ベティス)の同点弾ももたらされなかっただろう。ゴールやアシストという目に見える結果こそ残していないものの、長友が今大会のMVP級の働きを見せているのは紛れもない事実なのだ。

 目の前に立ちはだかるベルギーは、ご存知の通り、イングランド・プレミアリーグで活躍するロメル・ルカク(マンU)、エデン・アザール(チェルシー)ら擁するスター軍団。今大会3試合で合計9ゴールと最多得点を記録している。中盤にはダイナミックなサイドチェンジや強烈シュートを武器とするケヴィン・デブライネ(マンC)がいて、彼のパス回しを封じることも日本が勝ち上がる絶対条件だ。デブライネは右寄りの位置でプレーすることが多いため、長友は自らの対面に位置するであろう相手右ウイングバックのトーマス・ムニエ(PSG)を見ながらも、デブライネのカバーに入らなければならない。2列目のアザールとドリエス・メルテンス(ナポリ)も頻繁にポジションチェンジしてくると見られるだけに、守備負担は相当大きくなるだろう。
 それでも、彼らの網を破ってしまえば、背後には大きなスペースが広がっている。3バックはトビー・アルレルヴァイレルトやヤン・フェルトンゲン(ともにトッテナム)ら大型DFが並ぶが、細かく俊敏な切り返しやフェイントには弱い。長友と乾、香川が組み合わされば、相手にとって嫌な動きが数多く出せるはず。そういう意識を持って長友が攻守両面で奔走し、日本が過去2回跳ね返されてきた8強の壁を破る原動力になるべきだ。

 2014年南アフリカワールドカップで惨敗を喫し、メディアィアの前で号泣して屈辱感に打ちひしがれてから丸4年。彼はさまざまな紆余曲折を乗り越えてここまで来た。所属していたインテルでも試合に出られない時期が何度もあり、「もう長友は終わった」という見方をされることも少なくなかったが、今年1月のガラタサライ移籍で自信と鋭さを取り戻して完全復活。31歳になった今、かつてない輝きを放っていると言っていい。
 プライベートで女優の平愛梨さんと結婚し、長男が誕生したことも大きなエネルギーになっている。本田ら同世代の面々がロシアを「集大成のワールドカップ」を位置付ける中、長友は「『もういらない』と言われるまで代表でプレーしたい。親父が代表で戦っていることを息子が分かるようになるまでは続けたい。カッコいい親父の姿を見せたい」と意気込んでいる。それを叶えるためにも、ここでベルギーを倒し、近未来の成功への布石を打っておきたいところだ。
 いずれにしても、長友ら「おっさん世代」が躍動することで、大迫勇也(ブレーメン)ら中堅世代、柴崎ら若手世代も引っ張られてタフさを増す。ベルギー相手にはそのタフさが一番重要だ。昨年11月の親善試合(ブルージュ)で敗れたリベンジを果たす意味でも、今回は最高の戦いを見せ、悲願の強豪撃破を現実にしてほしい。


おっさん・長友佑都のW杯集大成プレイが、史上初のベスト8へ導く。

Photo:GETTYIMAGES

 

取材・文/元川悦子(カザン@ロシア)

長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

■連載/元川悦子「ロシア戦記」

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