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2018.06.25

仮想通貨はどうなる?アフター・ビットコインの世界を読み解く

ビットコイン

 投資というと、一攫千金を夢見て仮想通貨を思い浮かべる人も多いだろう。ビットコインは昨年1年間で約20倍上昇し、資産が1億円を超える〝億り人〟が続出した。その後は暴落したが、「次の上昇で儲かるかも」「別の仮想通貨が狙い目では?」と考える人も多いだろう。そこで、著書『アフター・ビットコイン』で早くからブームに警鐘を鳴らしてきた麗澤大学教授・中島真志氏に仮想通貨の今後を聞いた。

◎ビットコインの資産価値はゼロ

 昨年12月、ビットコインが異常な上昇をした時、値動きを見て、17世紀のオランダで起きたチューリップバブルの最終局面と酷似していることに気づきました。当時、数百円の価値しかないチューリップの球根が家1軒分の値段まで上昇したのです。そのバブルは3年で終了したことから、ビットコインも今年あたりが危ないと感じたのですが、想定よりも早かったという印象です。

 そもそも仮想通貨には投資の指標がありません。株式なら株価収益率などの指標があり、株価が割高なのか割安なのかがわかりますが、仮想通貨はわからないのです。また、株式や債券は配当や利子がもらえますが、仮想通貨にはない。現在の金融理論では、配当や利子というキャッシュフローを生まない資産の価値はゼロと見なされます。つまり、価値がゼロのものに一時的にせよ200万円以上の値がついたことになります。

 さらに、私が憂慮するのはビットコインに対する国内の評価です。暴落こそしましたが、「将来的には世界を変える通貨になる」という見方がいまだに根強く残っています。実はこうした評価は日本だけ。海外では、もう2〜3年前から、ビットコインについて好意的な見方をする金融関係者は誰ひとりいません。世界的な闇サイトで使われるなど、犯罪に関与していることが判明したからです。そうしたものが世界で流通するとは到底思えないのです。

 ビットコイン以外の仮想通貨も、本源的な価値がない点は変わらないため、基本的には同じです。国内外の銀行がリップル(※1)を導入すると報道されていることから、リップルが有望という人もいますが、リップルを利用した送金システムを導入しているだけである点に注意が必要です。

◎金融を根本から変革するブロックチェーンに注目

 したがって、ビットコインを含めた仮想通貨を投資対象とするのは、やめたほうがよいでしょう。日々の変動幅が大きいので余剰資金で〝投機〟として楽しむのはいいかもしれませんが……。

 ただし、仮想通貨がバブルで終わっても、忘れてほしくないのが仮想通貨の中核技術である「ブロックチェーン」(※2)の重要性です。仮想通貨に応用された「ブロックチェーン1.0」に続き、金融分野に応用する「ブロックチェーン2.0」が進んでいます。

 世界の中央銀行はこの技術を使った「デジタル通貨」の発行に向けた準備を進めています。

 カナダ中銀の「CADコイン」や中国人民銀行の「チャイナ・コイン」、ロシア中銀の「クリプト・ルーブル」などの実証実験がスタート。スウェーデン中銀の「eクローナ」はすでに発行計画が策定されています。さらに、昨年11月にはウルグアイ中銀がデジタル通貨「eペソ」の世界初の試験運用を始めたようです。中央銀行のデジタル通貨こそ、見逃せない動きといえます。

中島真志氏

麗澤大学経済学部教授 中島真志氏
なかじま・まさし/一橋大学法学部卒業後、日本銀行へ入行。調査統計局、金融研究所、国際局、国際決済銀行などを経て、現職。金融庁の審議会にも数多く参加。

『アフター・ビットコイン』

『アフター・ビットコイン』新潮社 1600円
2017年10月に発刊された中島教授のベストセラー。近い将来のビットコインバブルの崩壊を予言していた。

※1 リップル:送金/決済に特化した仮想通貨。「XRP」という単位で表わされる。
※2 ブロックチェーン:分散型台帳技術とも呼ばれ、ビットコインを支える中核技術として開発された。「ブロック」と呼ばれる取引データの固まりを一定時間ごとに生成し、時系列的に鎖のようにつなげていくことによりデータを保管する。データの改ざんが事実上不可能となっている点が特徴で、今後幅広い分野での活用が想定されている。

文/編集部

※記事内のデータ等については取材時のものです。

 

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